...彼は女王に悲愴な手紙を書いている...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...これまで味わった事のない悽愴(せいそう)の思いに襲われた...
太宰治 「斜陽」
...云うに云われぬ悲愴な冷かさがある...
豊島与志雄 「野ざらし」
...この人数より多い教師陣こそ悲愴だった...
中井正一 「地方文化運動報告」
...――僕は此処へ来て此の景色を見ると毎(いつ)も何だか悲愴な厳粛な気持ちになつて祝福し度い心に充たされるんですよ...
長與善郎 「青銅の基督」
...「悲愴シンフォニー」の演奏を聴いた人々は...
野村胡堂 「楽聖物語」
...死ぬか生きるかと云うほどに悲愴がって...
本庄陸男 「石狩川」
...愴たゞしく読んで...
牧野信一 「痩身記」
...却つて僕の一文よりも萩原君の何やら悲愴な文章が時の批評によつて掻き立てられ評判になつたが...
室生犀星 「俳句は老人文学ではない」
...又は猛獣の餌食にあたえられて行く凄愴...
夢野久作 「けむりを吐かぬ煙突」
...悽愴極まる屍体の山と石油臭の中に隔離されている約一小隊の生霊に...
夢野久作 「戦場」
...悽愴を極めた犯罪事件の真相をも...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...悽愴とした感じ……...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...凄愴(せいそう)な眉と...
吉川英治 「三国志」
...そして依然、大波天にみなぎり、乱雲のあいだからほのかな月光さえさして、一瞬は晃々と冴え、一瞬は青白い晦冥(かいめい)となり、悽愴の気、刻々とみちていた...
吉川英治 「三国志」
...悽愴(せいそう)な味方の者の影にかこまれていた...
吉川英治 「私本太平記」
...ここの揺れる甍(いらか)の下を凄愴(せいそう)なものにしていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...悽愴(せいそう)な夕空の下に...
吉川英治 「新書太閤記」
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