...もはや完膚なしと見るといつせいに引き揚げてさらに他の作に群つて行く状は凄愴とも何とも形容を絶した偉観である...
伊丹万作 「雑文的雑文」
...その見えないものが反って一種異様な凄愴な気分をこの部屋に加えていた...
海野十三 「地獄の使者」
...毎(つね)に中懐に愴然(そうぜん)たること無き能(あた)わず...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...云うに云われぬ悲愴な冷かさがある...
豊島与志雄 「野ざらし」
...かかる悲愴(ひそう)な夜の助けを伴うものである...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...その悲愴(ひそう)な眼差(まなざし)の中には...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...天地は悽愴(せいそう)を極めたものであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...――天狗小僧一生のお願ひだ」與次郎の聲は悲愴でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...異常に悽愴の氣を帶びてゐた...
萩原朔太郎 「芥川龍之介の死」
...彼らの支藩にいたって凄愴(せいそう)を極めた...
本庄陸男 「石狩川」
...着物を……」池の方角から悲愴な声が響いた...
牧野信一 「鬼の門」
...数々の私の書物を悲愴な感投詞をたゞ胸一杯に叫びながら...
牧野信一 「鬼の門」
...」茶山は「感愴」と云つてゐる...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...ヒドイ精神病の系統であったと……」相手の悽愴(せいそう)たる語気に呑まれて...
夢野久作 「復讐」
...その時凄愴な語調に落ちてくる...
吉川英治 「剣難女難」
...黄濁な揚子江の水は岸に激して凄愴な飛沫(しぶき)をあげ...
吉川英治 「三国志」
...凄愴なその人の半面が...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...よけい凄愴(せいそう)に冴(さ)えて見えた...
吉川英治 「夏虫行燈」
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