...その見えないものが反って一種異様な凄愴な気分をこの部屋に加えていた...
海野十三 「地獄の使者」
...悲愴な文句で仰せを畏む旨を答えた彼の手紙がある...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...私はどんなにか悲愴な心で眺めやったであろう! 私は凡てを忘れようとした...
豊島与志雄 「運命のままに」
...云うに云われぬ悲愴な冷かさがある...
豊島与志雄 「野ざらし」
...その悲愴(ひそう)な眼差(まなざし)の中には...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...この凄愴な最期があったればこそ...
直木三十五 「三人の相馬大作」
...チャイコフスキーの「悲愴」とベートーベンの「第九」という...
中井正一 「地方文化運動報告」
...愈々(いよいよ)歌舞伎座を乗取る時などは悲愴な葛藤の起ったりしたのなども我輩は遠くで眺めていた...
中里介山 「生前身後の事」
...」一種悲愴な哀音を聞くやうである...
中村憲吉 「頼杏坪先生」
...――僕は此処へ来て此の景色を見ると毎(いつ)も何だか悲愴な厳粛な気持ちになつて祝福し度い心に充たされるんですよ...
長與善郎 「青銅の基督」
...憂鬱(ゆううつ)にし「悲愴交響曲(パセティック・シンフォニー)」を作らなければならぬ心持(こころもち)にしたのは...
野村胡堂 「楽聖物語」
...慟哭的(どうこくてき)な悲愴美が...
野村胡堂 「楽聖物語」
...凄艶といおうか愴美といおうか...
久生十蘭 「蝶の絵」
...悲愴なる來者は彼をそんな風に來らしめた者に...
堀辰雄 「クロオデルの「能」」
...予愴然顧視...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...愴惶(ソウコウ)...
吉川英治 「三国志」
...血戦の巷(ちまた)に聞く貝はいんいんと悽愴(せいそう)な余韻(よいん)をひいて何ともいえぬ凄味のあるものだが...
吉川英治 「新書太閤記」
...凄愴なものに打たれて...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??