...顔が熊の子のようで、愛くるしいので、きょうだいたちが、何かとかれにかまいすぎて、それがために、かれは多少おっちょこちょいのところがある...
太宰治 「ろまん燈籠」
...―――」彼女の愛くるしい...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...愛くるしい顔つきをしているが...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「カシタンカ」
...目元や口元の愛くるしい子供を...
徳田秋声 「爛」
...すべての輪廓があんまり鮮明なためになんとなく馴れ親しみがたい感じがしてすこしうけ口な愛くるしい唇さへが海の底の冷たい珊瑚をきざんだかのやうに思はれたが...
中勘助 「銀の匙」
...何といふ可憐(かれん)な、愛くるしい、かなしげなものがこの世にはゐることか...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...二十歳そこそこの愛くるしい娘...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...いつもの愛くるしい声で尋ねますと...
ルイザ・メイ・オルコット L. M. Alcott 水谷まさる訳 「若草物語」
...と瑞々(みずみず)しく愛くるしい若さで云わなかっただろう...
宮本百合子 「女の歴史」
...四十歳を越した文豪の心は予(かね)て愛くるしい此(この)小娘に動かされて居て二人の間にデリカアな話が交換される...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...又一人馬場吉野(よしの)と云ふ愛くるしい十二歳の娘が居る...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...またゴオドが愛くるしい王妃のやうな微笑を浮べて...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...お粂という愛くるしいのがいる...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...愛くるしい――何かにつけて...
吉川英治 「親鸞」
...十四ぐらいな愛くるしい少女(おとめ)で...
吉川英治 「夏虫行燈」
...孫兵衛の母イサベラ様の幾代目かの御先祖――黄金(こがね)色の髪の毛に愛くるしい琥珀(こはく)の眼をもった異国娘も...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...今のお通の白い笑靨が――あの哀れっぽいような愛くるしいような眸が――体を縛りつけていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...ルパンはこの無邪気な愛くるしい少年に対して...
モーリス・ルプラン 菊池寛訳 「奇巌城」
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