...此神の愛を身に受けて之と交通するに餘念のない生活――瞑想のみの生活は眞正に宗教的な生活とは云ひ得ないであらう...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...可愛いあたしの奴隷ですもの」ああ...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...昆虫(こんちゅう)や鳥獣でない二十世紀の科学的文明国民の愛国心の発露にはもう少しちがった...
寺田寅彦 「天災と国防」
...其奴が可愛くにこにこっと笑い出しそうになった...
豊島与志雄 「狐火」
...狂歌川柳(せんりゅう)の俗気を愛する放蕩(ほうとう)背倫の遊民にのみいうべからざる興趣を催させる特種の景色である...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...杯盤(はいばん)を片附けた、柳橋の清川の大廣間、二十幾基の大燭臺に八方から照されて、男女十幾人の一座は、文句も不平も、大きな歡喜の坩堝(るつぼ)の中に鎔(とか)し込んで、唯もう、他愛もなく、無抵抗に、無自覺に歌と酒と遊びとに、この半宵を過せばよかつたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...愛撫するような眼ざしで見廻しました...
野村胡堂 「天才兄妹」
...平等の藝術愛好者でなければならないのに...
長谷川時雨 「むぐらの吐息」
...愛の共同の對手としてそれは正に必要條件を充たす如く見える...
波多野精一 「時と永遠」
...あんたごたるひとはもう愛(ええら)しかとも何ンとも思っておりまッせん...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...愛も親切の切れつぱしもなしに暮せるものだと思つてゐらつしやる...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...ホウプの可愛らしい姿があるじゃありませんか! われわれは一体「希望(ホウプ)」なしで...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...なんだか可愛(かわい)らしい気もしないことはありません...
堀辰雄 「美しい村」
...尼になってもこんな美しい人は決して愛人にして悪感(おかん)の起こるものではあるまい...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...抽斎は柏軒を愛して...
森鴎外 「渋江抽斎」
...愛憎二つの目もて久しく見らるることを嫌えば...
森鴎外 「文づかい」
...むしろその中には非常な愛嬌すらふくんでいた...
吉川英治 「新書太閤記」
...同時に健吉さんの愛郷心にもなみなみならないものがうかがわれる...
吉川英治 「随筆 新平家」
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