...郡町村吏員の輩が「免租願を出したところが無効だから止めろ」と公言して愚直な農民を欺いているということで...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...私の生れつきの性質の中には愚直なものもあるらしく...
太宰治 「鉄面皮」
...城市(みやこ)の世家の来訪を家の面目として歓待している愚直な農民には...
田中貢太郎 「竇氏」
...愚直なる村民ハ今や正に其住家を売られ其土地を売られ其身を売られつゝあり...
田中正造 「非常歎願書」
...愚直な人間はけっして氣違いになりっこはないよ...
アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ Annette von Droste=Hulshoff 番匠谷英一訳 「ユダヤ人のブナの木」
...それは果たして単純な、愚直な、願いだけだろうか...
中井正一 「国会図書館のこのごろ」
...存在が愚直なる偶然性に見えてくる戦慄...
中井正一 「レンズとフィルム」
...愚直な私など相手にして呉れるべくもなかつた...
中原中也 「我が生活」
...愚直な勇吉を信じ切ってはいますが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...愚直な中年女の、手の付けようもなく歪(ゆが)んだ愛情を、平次は少し呆(あき)れて聴いております...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...七年の年月を傍においた弟子の愚直な心を知らないのかと...
長谷川時雨 「樋口一葉」
...富岡は最も愚直なスタイルをつくつてね...
林芙美子 「浮雲」
...いわんや愚直な加十のことだから...
久生十蘭 「魔都」
...愚直な山木元吉氏がそれを本物だと思い込んで大袈裟に逃げ隠れすればするほど...
久生十蘭 「魔都」
...愚直なラリは目下(もっか)の最良策が黙っていることなど思いもつかなかった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「幽霊島」
...愚直な読者もソー/\は欺かれず...
宮武外骨 「一円本流行の害毒と其裏面談」
...愚直なる者だと述べている...
柳田国男 「山の人生」
...その執拗い事というものは……呆れた……」愚直な林氏は茲(ここ)に於て怫然(ふつぜん)色を作(な)した...
夢野久作 「近世快人伝」
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