...同時に又是等の人々の中に、貪慾なる、奸譎(かんけつ)なる、野卑なる、愚昧なる、放漫なる、が、常に同情を感ずる人間全体を見出したのであらう...
芥川龍之介 「大久保湖州」
...又或る仏僧は皇帝の愚昧なる一言を聞くと...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...愚昧な私自身も知っている...
石川欣一 「山を思う」
...かつては民を愚昧ならしめるために学芸が最も狭き堂宇に閉鎖されたことがあった...
岩波茂雄 「読書子に寄す」
...愚昧な田舎者を御しがたいとでも思い諦めたのか...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...しかるに愚昧なる父兄はただ目前の小利のために愛児の前途を全く誤らしめていながら...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...と愚昧なる推量をして...
太宰治 「お伽草紙」
...蝶になぶられてるジャノー(訳者注 滑稽愚昧な人物)の三角帽...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...發明する所がない愚昧な一派の者がある...
内藤湖南 「章學誠の史學」
...愚昧な原住民の驚嘆を前に...
中島敦 「環礁」
...愚昧な娘を教える父親のように...
野村胡堂 「礫心中」
...愚昧な混乱に陥ったのだ...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...なにひとつ心得のない疎漏愚昧な艦隊司令官の指揮にしたがい...
久生十蘭 「海難記」
...こういう愚昧な人物を艦隊司令官に任命したというのは...
久生十蘭 「海難記」
...魂も身に添はぬ爲體(ていたらく)さ――なるほど愚昧な女のこととて...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「狂人日記」
...この愚昧な妹のお蔭で...
牧野信一 「茜蜻蛉」
...強健にして愚昧なる人間となることでしょう...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...一人の若い娘――純潔で愚昧な顔立ちの...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「予言者の家で」
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