...愚人の言葉は聞き流す...
...あの人は愚人にもほどがある...
...愚人の考えには付き合わない方がいい...
...愚人から学ぶことは何もない...
...愚人の行動には理解できないことが多い...
...神聖な愚人の一生である...
芥川龍之介 「じゅりあの・吉助」
...2赤兒を豺狼の群に投ずるは愚人の事である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...凡人となり愚人となるに甘ぜんと心を定めた時に不思議と歓喜愉快の念が内心に湧いたのである...
伊藤左千夫 「家庭小言」
...三予はこう思ったことがある、茶人は愚人だ、其証拠には素人にロクな著述がない、茶人の作った書物に殆ど見るべきものがない、殊に名のある茶人には著書というもの一冊もない、であるから茶人というものは愚人である、茶は面白いが茶人は駄目である、利休や宗旦は別であるが、外の茶人に物の解った人はない様じゃ、こう一筋に考えたものであったが、今思うとそれは予の考違であった、茶の湯は趣味の綜合から成立つ、活た詩的技芸であるから、其人を待って始めて、現わるるもので、記述も議論も出来ないのが当前である、茶の湯に用ゆる建築露路木石器具態度等総てそれ自身の総てが趣味である、配合調和変化等悉く趣味の活動である、趣味というものの解釈説明が出来ない様に茶の湯は決して説明の出来ぬものである、香をたくというても香のかおりが文字の上に顕われない様な訳である、若し記述して面白い様な茶であったら、それはつまらぬこじつけ理窟か、駄洒落に極って居る、天候の変化や朝夕の人の心にふさわしき器物の取なしや配合調和の間に新意をまじえ、古書を賞し古墨跡を味い、主客の対話起座の態度等一に快適を旨とするのである、目に偏せず、口に偏せず、耳に偏せず、濃淡宜しきを計り、集散度に適す、極めて複雑の趣味を綜合して、極めて淡泊な雅会に遊ぶが茶の湯の精神である、茶の湯は人に見せるの人に聴せるのという技芸ではなく、主人それ自身客それ自身が趣味の一部分となるのである、何から何まで悉く趣味の感じで満たされて居るから、塵一つにも眼がとまる、一つ落着が悪くとも気になる、庭の石に土がついたまで捨てて置けないという、心の状態になるのである、趣味を感ずる神経が非常に過敏になる、従て一動一作にも趣味を感じ、庭の掃除は勿論、手鉢の水を汲み替うるにも強烈に清新を感ずるのである、客を迎えては談話の興を思い客去っては幽寂を新にする、秋の夜などになると興味に刺激せられて容易に寐ることが出来ない、故に茶趣味あるものに体屈ということはない、極めて細微の事柄にも趣味の刺激を受くるのであるから、内心当に活動して居る、漫然昼寝するなどということは、茶趣味の人に断じてないのである、茶の湯を単に静閑なる趣味と思うなどは、殆ど茶趣味に盲目なる人のことである、されば茶人には閑という事がなく、理窟を考えたり書物を見たり、空想に耽ったりする様な事は殆どない、それであるから著述などの出来る訳がない、物知りなどには到底なれないのが、茶人の本来である、されば著書などあるものであったらそれは必ず商買茶人俗茶人の素人おどしと見て差支ない、原来趣味多き人には著述などないが当前であるかも知れぬ、芭蕉蕪村などあれだけの人でも殆ど著述がない、書物など書いた人は、如何にも物の解った様に、うまいことをいうて居るが、其実趣味に疎いが常である、学者に物の解った人のないのも同じ訳である、太宰春台などの馬鹿加減は殆どお話にならんでないか...
伊藤左千夫 「茶の湯の手帳」
...之に反し凡て我がこの言を聴きて之を行わざる者は砂の上に家を建し愚人(おろかなるひと)に譬えられん...
内村鑑三 「聖書の読方」
...この人を見よ――何といふ愚人の醜さだらう!日光と水と...
種田山頭火 「其中日記」
...偉大なる先駆者かもしくは矮小なる愚人かだ...
豊島与志雄 「偶像に就ての雑感」
...愚人に取扱われたものの中にさえ...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...それら無数の憐(あわ)れな愚人どもは...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...よほどの愚人が書いたものに違いない...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...「何ひどいものか、あんなのは婦人じゃない、愚人だ、ねえ迷亭君」「愚人かも知れんが、なかなかえら者だ、大分(だいぶ)引き掻(か)かれたじゃないか」「全体教師を何と心得ているんだろう」「裏の車屋くらいに心得ているのさ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...愚人は得てこんなところに意地を張るものだ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...どんな正しい言でも時ならぬ時に放てば愚人(ぐじん)の言にも劣(おと)る...
新渡戸稲造 「自警録」
...「泣かんか愚人の如く...
林芙美子 「大島行」
...もとより我れは愚人なり...
一葉 「暗夜」
...しかるに愚人ら古法通りに我を待遇せぬ故活きいるつもりでないと...
南方熊楠 「十二支考」
...その人たちは自分を愚人として侮蔑(ぶべつ)しているのであろうとお思われになることは不快であったが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...もともと賢人も愚人もない...
吉川英治 「大岡越前」
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