...悪くはないにしても愚かなことと思えた...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...このたびの愚かな誤解を深謝し...
太宰治 「惜別」
...来世の果報を捨てようとした愚かな罪を...
谷崎潤一郎 「二人の稚児」
...愚かな旅人として一生流転せずにはゐられない私だつた...
種田山頭火 「行乞記」
...世界は自分らのためにのみできているとばかり思っているわれわれ愚かな人間は茫然(ぼうぜん)としてテントの小窓からこの恐ろしい生命のあらしをながめてため息をつくであろう...
寺田寅彦 「映画雑感(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...ただ愚かな私にのみ許された「幸福」のために...
萩原朔太郎 「散文詩・詩的散文」
...虚在の対象を追求して十年の歳月を空費した愚かな執着のすがたをあわれ深くながめた...
久生十蘭 「黒い手帳」
...我々はなんて愚かなんだ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...わたくしが弱くて愚かなために...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...愚かな五体は徐ろに無何有の郷に溶けて行つた...
牧野信一 「坂道の孤独参昧」
...カレドニアの海賊の出陣にあたつて敗北を夢見るよりも愚かな心配さ...
牧野信一 「酒盗人」
...私は愚かな常識家にならなければならなかつた...
牧野信一 「毒気」
...はなはだ愚かな男でよくわたしの考えがつかめなかったと見え...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...日曜を一緒に楽しむは愚かな事...
夢野久作 「霊感!」
...それより愚かな事にも...
横光利一 「欧洲紀行」
...現在の成り行きを変えるのも愚かな考えで...
横光利一 「旅愁」
...愚かなる追憶や、その追慕とは相剋(そうこく)する、信孝の処理や、信雄にたいする考えも、こうして先君の位牌に冥々裡(めいめいり)に、お告げもし、お詫びしておけば、彼の心は信長の生ける言を聞き得たように、大いに救われる気もするのであった...
吉川英治 「新書太閤記」
...何と云う浅墓な愚かな娘であろう...
渡辺温 「絵姿」
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