...その愚かしい煩悩(ぼんのう)に責め苛(さいな)まれる思いをしながら...
近松秋江 「狂乱」
...何やら愚かしい叫び声を立てて...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...しかしその愚かしい失敗で諦(あきら)めることはできなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...意味も目的も無い・まじりけの無い悪意だけがハッキリその愚かしい顔に現れている...
中島敦 「環礁」
...肥つてこそゐたが、うす汚い、愚かしい顏付の、平凡な島民の子である...
中島敦 「環礁」
...どうかすると、その街が何ごともなく無疵(むきず)のまま残されること、――そんな虫のいい、愚かしいことも、やはり考え浮ぶのではあった...
原民喜 「壊滅の序曲」
...冷淡さと生まれつきの性悪さとが発見するもっとも愚かしいいつわりであった...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「断食芸人」
...愚かしい物珍らしげな眼差でこちらを見あげては...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...あざむかれる妻ほど哀れに愚かしいものがあろうか...
「今朝の雪」
...愚かしい殺し合いのために...
三好十郎 「肌の匂い」
...愚かしい行動をしたと煩悶(はんもん)をしているのである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...とかくこのような愚かしい話に落ちるのである)...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...たぶんこれは明瞭に愚かしい自己欺瞞(ぎまん)だ...
山川方夫 「愛のごとく」
...卑劣な、愚かしい、自分ひとりでいたいというあつかましい無気力、自分ひとりでいられるという非人間的な妄想、仲間をもつことを悪だとするばかげきった臆病、そして私は保井進よりさらに勇気に欠け、さらに愚劣なのだ...
山川方夫 「演技の果て」
...自分の愚かしい考えを...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...それは毎(いつ)もの愚かしい無感動な笑い方である...
山本周五郎 「日本婦道記」
...痴者の夢よりもまだ愚かしい...
吉川英治 「三国志」
...「物」と「金」しか頭にないかのような彼も、義経にだけは、愚かしいほど、情に揺りうごかされた...
吉川英治 「源頼朝」
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