...本当にどうしてまたそんな愚かしい暴虐をなさつたのか...
太宰治 「右大臣実朝」
...戦艦大和にへばりついたまま水底に沈んで死んだ愚かしい悲劇が...
田中英光 「さようなら」
...『何もかも実に愚かしいきわみだ!』もはや何一つ待ち設けるものもない今になってみると...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「接吻」
...のこのこ嫁入り先へやって来た男の愚かしい心持が腹立たしいようであったが...
徳田秋声 「足迹」
...愚かしい微笑を浮かべながら...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...肥つてこそゐたが、うす汚い、愚かしい顏付の、平凡な島民の子である...
中島敦 「環礁」
...科学者たる父が何故こんな愚かしい所行を演ずるのか...
中島敦 「光と風と夢」
...愚かしいのか?混沌(こんとん)の中からイリアッドやエネイドを選び残した彼等は...
中島敦 「光と風と夢」
...どうかすると、その街が何ごともなく無疵のまま残されること、――そんな虫のいい、愚かしいことも、やはり考へ浮かぶのではあつた...
原民喜 「壊滅の序曲」
...寧ろ愚かしい謙遜に囚はれてゐたに相違ない...
牧野信一 「思ひ出した事(松竹座)」
...彼女の眼付はただ愚かしいだけでなく...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ルイスヒェン」
...寧ろ其の方が自分の愚かしい心持を徴塵(みぢん)に粉砕してくれさうでいさぎよいとも思つた...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
...愚かしい殺し合いのために...
三好十郎 「肌の匂い」
...愚かしい行動をしたと煩悶(はんもん)をしているのである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...(a)もしこれらの愚かしい詭弁が...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...けれどもこのような愚かしい虚栄は...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...親の口からこんなことを云うのは愚かしいかもしれないが...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...愚かしい山々や森林の形を地平線上に浮き出させて...
夢野久作 「塵」
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