...愚かしいところの無いかなりの美人ではあったが...
太宰治 「グッド・バイ」
...あのまわりに集ってぼんやりそれを見物している民衆の愚かしい顔が...
太宰治 「惜別」
...何という連中なのだろう! 何という愚かしい毎夜...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「犬を連れた奥さん」
...何やら愚かしい叫び声を立てて...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...しかしその愚かしい失敗で諦(あきら)めることはできなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...虫より劣った愚かしい無能な人間が...
豊島与志雄 「一つの愛情」
...それを愚かしいと思うが――」牧は...
直木三十五 「南国太平記」
...どうかすると、その街が何ごともなく無疵のまま残されること、――そんな虫のいい、愚かしいことも、やはり考へ浮かぶのではあつた...
原民喜 「壊滅の序曲」
...寧ろ愚かしい謙遜に囚はれてゐたに相違ない...
牧野信一 「思ひ出した事(松竹座)」
...こんな些細な茶飯事に……であればあるだけ自らの愚かしい邪推が気の毒になつて...
牧野信一 「公園へ行く道」
...「いえその愚かしいエーエー」ピシリピシーリ...
正岡容 「小説 圓朝」
...安らかな、すこし微笑んでいるような死顔だったそうで……ほとんど一生を唯一人の人に想い入って、その他のことを思うことのできなかった男、そういう事に男の一生をかける事が、幸福であるか不幸であるかさえも考える余裕もなく、その生涯を泣き暮し、しかもその晩年に於ては始終明るくニコニコと頬笑んでばかりいて、もうピタリと泣かなかったそうですが……そういう、愚かしい、むやみと手の大きかった男――そういう男が私の手の下の石の下に眠っているのだ、と、そう思ったのです...
三好十郎 「樹氷」
...愚かしい親切である...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...こんなに愚かしいまでに自己を抑制することのできる男はほかにないだろうと思うのですが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...愚かしい行動をしたと煩悶(はんもん)をしているのである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...けれどもこのような愚かしい虚栄は...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...愚かしい山々や森林の形を地平線上に浮き出させて...
夢野久作 「塵」
...おもえばおれも愚かしい...
吉川英治 「新・水滸伝」
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