...僕さへ論戦する時などには忽(たちま)ち大蛇(おろち)を退治する重太郎の意気ごみになりさうである...
芥川龍之介 「僻見」
...本当の科学小説はいよいよ今後に書くぞという作者の意気ごみを示したいことと...
海野十三 「『地球盗難』の作者の言葉」
...私はもう自分の疲労も、空腹も、意地も、意気ごみも、一種の狂気も忘れ、いきなり走り戻ると、一郎の前に背中を向けてやり、ぐんなり、崩れ、しっかり両手で纒りついたその小さい身体を、無言のまま背負い上げてやった...
田中英光 「箱根の山」
...御本人の意気ごみはなか/\さうでなく...
谷崎潤一郎 「泉先生と私」
...自分の重大な遠征にあわれな坊さんを捕虜にしてぜひとも連れ出そうという意気ごみらしかつた...
G・K・チェスタートン G. K. Chesterton 村崎敏郎訳 「とけない問題」
...そうそう子供と見てもらいますまいという意気ごみで...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...捲紙(まきがみ)に奔放な筆を揮(ふる)って手術の予後を報告して来た幾つかの彼女の手紙の意気ごみ方を考えると...
徳田秋声 「仮装人物」
...海を渡って歩けるような意気ごみで...
林芙美子 「ふしぎな岩」
...建てるくらいの意気ごみだったそうよ」そう言えば...
久生十蘭 「あなたも私も」
...運搬係りは今日を有終の美にする意気ごみであった...
本庄陸男 「石狩川」
...ローマ字を国字にしようといふ位の意気ごみを書くのに...
水野葉舟 「言文一致」
...それを一つにまとめて貫徹させる意気ごみだけが...
柳田国男 「母の手毬歌」
...初陣(ういじん)の意気ごみは格別で...
吉川英治 「黒田如水」
...魯粛は意気ごみぬいて...
吉川英治 「三国志」
...意気ごみを引いて...
吉川英治 「私本太平記」
...秀吉もその意気ごみで...
吉川英治 「神州天馬侠」
...興国か」の大きな衝動をそのまま抱いてここに駈けつけて来たのであるから、兵数は劣弱(れつじゃく)でも、意気ごみは、彼とはまるで違っていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...その意気ごみから見ても...
吉川英治 「平の将門」
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