...意地悪さうな目付をしてにやりと笑ひかけてゐた...
芥川多加志 「四人」
...時々葦原醜男の方へ意地悪さうな視線を投げた...
芥川龍之介 「老いたる素戔嗚尊」
...のみならず兄も意地悪さうに...
芥川龍之介 「雛」
...」滴水の眼は意地悪さうにまた光つた...
薄田泣菫 「茶話」
...あの人の今更ながらの意地悪さを憎んだ...
太宰治 「駈込み訴え」
...この事ばかりで無く、私がこの生みの母親から奇妙に意地悪くされた思い出は数限りなくございますのでして、なぜ母が私をあんなにいじめたのか、それは勿論(もちろん)、私がこんな醜男(ぶおとこ)に生れ、小さい時から少しも可愛げの無い子供だったせいかも知れませぬが、しかしそれにしても、その意地悪さが、ほとんど道理を絶して、何が何やら、話のどこをどう聞けばよいのか、ほとんど了解不可能な性質を帯びていまして、やはりあれは女性特有の乱酔とでも思うより他に仕方が無いようでございます...
太宰治 「男女同権」
...もともと我(わ)が儘(まま)なお嬢様育ちのところへ盲人に特有な意地悪さも加わって片時も佐助に油断する暇(いとま)を与えなかった...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...彼に対してのみその傾向(けいこう)が極端になって行ったのである彼女が佐助を最も便利に思った理由もここにあるのであり佐助もまたそれを苦役と感ぜずむしろ喜んだのであった彼女の特別な意地悪さを甘(あま)えられているように取り...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...自分の意地悪さを心ではとがめながらも...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...生活の意地悪さと闘(たたか)ってるうちに...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...新聞雑誌の意地悪さにひどく苦しめられて...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...運命の意地悪さにも笑っていて...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...無鉄砲な大木は窓の硝子に葉や枝をぶツつけてゐた意地悪さうに...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...真実を見ぬこうとする意地悪さもなく...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...意地悪さうに返事もしないで...
牧野信一 「或る日の運動」
...意地悪さと高慢とひねくれとねちねちした性格は...
室生犀星 「愛の詩集」
...そうして夫の気むずかしさ意地悪さが妻をしいたげる以上に...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...底知れない意地悪さがあった...
吉川英治 「随筆 新平家」
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