...意地の悪い目でウルフをにらみつけ...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「リップ・ヴァン・ウィンクル」
...それは底意地の悪い挑戦的(ちょうせんてき)な調子で震えていた...
有島武郎 「或る女」
...あなたに意地の悪いような事ばかり申しましたが...
太宰治 「新ハムレット」
...へんに底意地の悪いような表情はしなくなっていたが...
太宰治 「惜別」
...この前あんな意地の悪い真似をなすったんですもの...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...いっしょに見て歩いた学生ふうの男がこの案内者に「お前さんのように毎日朝から晩まで身の毛のよだつような話を繰り返していてそれでなんともありませんか」と意地の悪いことをきくと女はただ苦笑していました...
寺田寅彦 「先生への通信」
...また意地の悪い人もあります...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...こっちの「我(が)」以上に相手が意地の悪い事をするように見えたからである...
夏目漱石 「明暗」
...如何にも意地の悪い表情で...
林芙美子 「浮雲」
...あだかも意地の悪い馬がなれぬ乗り手にするように...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...概して二人とも性質に於いてはそう意地の悪い方ではなかった...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...全世界が彼には意地の悪い敵のように思われてきた...
平林初之輔 「二人の盲人」
...「辰さんは時々意地の悪いことを言うんじゃな」勝代は階下へ行って母にねだってもらってきた蜜柑の一つを兄の前に置いたが...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...そんな意地の悪いことを言はないで...
三好十郎 「疵だらけのお秋(四幕)」
...ひねくれ者や意地の悪いやつもいるし...
山本周五郎 「さぶ」
...さすがの意地の悪いお母さんも泣いて露子さんを抱きしめて...
夢野久作 「キキリツツリ」
...「これは貴女のおためですから……この就職口さえ御承諾になれば、貴女にはキットいい御縁談が申し込んで来る事を、お約束出来るのですから……運動好きの若い紳士が、その新聞社に待っておられるのですから……」とか何とか仰言って、いよいよ親切を籠(こ)めて、繰り返し繰り返しお説教をなさいましたが、その言葉のうちにうなだれて聞いておりました私が、そっと上目づかいをして見ました時の、校長先生のお眼の光の冷たかったこと……人間を喰べるお魚のような青白い、意地の悪い、冷酷な光が冴え返っておりましたこと……...
夢野久作 「少女地獄」
...まともに副院長の顔を見上げた……その唇にほのめいている意地の悪い微笑を……その額に輝いている得意満面の光りを...
夢野久作 「一足お先に」
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