...――こうなったら意地でも計算しなければならん...
大阪圭吉 「死の快走船」
...色々と話の末、彼(女)は今後も完全な「女」として生きる決心を告げ、(さうした女としての暮し、その衣裳、殊に下着や腰にまとふものを身体につける時の悦びを昂奮した調子で彼は語つたが、妙な商売の思ひつきから、すでに救ふべからざる倒錯症にかかつてゐることを証拠立てた)――最後に、「かうなつたからには、意地でも、どうかして子供を産んで見せます!」と、断言したのである...
武田麟太郎 「釜ヶ崎」
...「今晩こそ意地でも...
田中貢太郎 「あかんぼの首」
...僕は意地でも結婚して見せるんだ...
谷崎潤一郎 「戯曲体小説 真夏の夜の恋」
...今の自分は妻への意地でも年を取ってはならない場合だ...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...いとしいおくがたをひでよし公には意地でもわたされぬとおぼしめしていらっしゃるのか...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...もし彼女と結婚が出来なければ、僕は意地でも、向うから罷めさせるまで辞表は出さない...
豊島与志雄 「或る素描」
...こっちも女の意地でも負けない気になって...
中里介山 「大菩薩峠」
...しかしそれは意地でもできない...
松濤明 「春の遠山入り」
...こんだあ意地でもお粂(くめ)の首をかいてみせなけりゃなりません」雲霧の今のことばに刺戟(しげき)されて...
吉川英治 「江戸三国志」
...意地でも人手は借りねえ...
吉川英治 「江戸三国志」
...意地でもとする攻略の妄念に吸いつけられていたのだろう...
吉川英治 「私本太平記」
...義貞の意地でもある...
吉川英治 「私本太平記」
...こうなると意地でも彼の第二陣に控えてはいられない...
吉川英治 「新書太閤記」
...意地でもと、人足たちを叱(しった)したが、三島までは、追い附く事が出来なかった...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...頼朝の権力を入れる事は意地でもできない...
吉川英治 「源頼朝」
...足を傷めているからなどとは意地でもいえない...
吉川英治 「宮本武蔵」
...意地でも吉野太夫をこちらへ申しうけて来ねばならぬ」遊びに年齢(とし)はないものだそうであるが...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索