...色々と話の末、彼(女)は今後も完全な「女」として生きる決心を告げ、(さうした女としての暮し、その衣裳、殊に下着や腰にまとふものを身体につける時の悦びを昂奮した調子で彼は語つたが、妙な商売の思ひつきから、すでに救ふべからざる倒錯症にかかつてゐることを証拠立てた)――最後に、「かうなつたからには、意地でも、どうかして子供を産んで見せます!」と、断言したのである...
武田麟太郎 「釜ヶ崎」
...僕は意地でも結婚して見せるんだ...
谷崎潤一郎 「戯曲体小説 真夏の夜の恋」
...もともと己はその意地でもって失策(しくじ)ったんだ...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...意地でも帰ってやる...
チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「グーセフ」
...意地でもそれをこなそうと勉めた覚えはある...
中里介山 「大菩薩峠」
...こっちも女の意地でも負けない気になって...
中里介山 「大菩薩峠」
...こんだあ意地でもお粂(くめ)の首をかいてみせなけりゃなりません」雲霧の今のことばに刺戟(しげき)されて...
吉川英治 「江戸三国志」
...意地でも人手は借りねえ...
吉川英治 「江戸三国志」
...意地でもそれを見たいなどという気振りを出させない...
吉川英治 「江戸三国志」
...意地でもなけれや...
吉川英治 「銀河まつり」
...武門の意地でも、彼はここを一期(ご)と、部下の屍(かばね)をいくら積んでも惜しまぬ腹でいるものだろう...
吉川英治 「私本太平記」
...意地でもとする攻略の妄念に吸いつけられていたのだろう...
吉川英治 「私本太平記」
...意地でも生きてみせる...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...意地でもわしら母子(おやこ)の前へ出て来るじゃろう...
吉川英治 「宮本武蔵」
...意地でも吉野太夫をこちらへ申しうけて来ねばならぬ」遊びに年齢(とし)はないものだそうであるが...
吉川英治 「宮本武蔵」
...意地でも背後(うしろ)を見せられぬものがある...
吉川英治 「宮本武蔵」
...小次郎は後で、(万一、逃げないまでも、武蔵がこっちの手にのらず、出て来ない場合にはどうするか? いっそ、お杉ばばに代って、名乗りかけ、意地でも、出て来ずにいられぬように仕向けるか?)二段、三段の策までを、その間に考えていると――突然、彼の想像を遥かに跳び越えて、戸外(おもて)の闇で、「――ぎゃっ」と、ただの肉声ではない...
吉川英治 「宮本武蔵」
...意地でももう一旗上げてみせるつもりだ...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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