...體を動かすのが愉快であつた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...「わたくしは退院させて貰つたら、わたくしを掴まへてこんな所へ入れた、御親切千万な友達を尋ねて行つて、片つ端から骨を打ち折つて遣らうと思ひますよ」と、患者は愉快げに、しかも怒を帯びて云つて、雀斑(そばかす)だらけの醜い顔を変に引き吊らせた...
アルチバシェッフ・ミハイル・ペトローヴィチ Artsybashev Mikhail Petrovich 森林太郎訳 「笑」
...小川家には急に不愉快な...
石川啄木 「鳥影」
...愉快、愉快、……では諸君、おさらば」ルパンは下界の群衆に向って、訣別(けつべつ)の大雄弁をふるった...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...みんな不愉快な顔をした...
薄田泣菫 「茶話」
...愉快な街もかうしてだんだん變つてゆくのだ...
竹久夢二 「砂がき」
...終始あまり愉快でなかったのである...
太宰治 「惜別」
...バス風景――とても愉快な女中さんいやな釣人どうしシヨウガ四つで一銭とは! おばあさん...
種田山頭火 「其中日記」
...吾人ももとよりこれを愉快なりと思わざるにあらず...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...どうかすると、いっしょに空想して、まとまった小説を二人で作ったりしたものであるが、それはたいてい、愉快な、おかしな話であった...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...」中江は自ら不愉快になって黙っていた...
豊島与志雄 「立枯れ」
...私には私の心を腐蝕(ふしょく)するような不愉快な塊(かたまり)が常にあった...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...僕は斯んな愉快な晩に出遇つたのは始めてだよ...
牧野信一 「露路の友」
...予はかへつて知識(理窟)に訴へて誇張の処に愉快を求めたりしが如し...
正岡子規 「俳句の初歩」
...この愉快を一人で貪るのは惜しい事だと思ふて手紙で竹村黄塔を呼びにやつた...
正岡子規 「墨汁一滴」
...なんとおびただしい空想的な愉楽...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「神の剣」
...いやそれよりも愉快なのは...
吉川英治 「美しい日本の歴史」
...将士の心をして愉快にさせた...
吉川英治 「新書太閤記」
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