...各々の想いはまた各々の心のなかをひとりで歩まねばならなかった...
大島亮吉 「涸沢の岩小屋のある夜のこと」
...世の常ならぬ恋の痛みと歓びとを想いおこす自殺した恋人たちのお互いの慰めである...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...私は今でもこの時の笑止千万を……そして私にとって快この上もない胸の透くような想い出を忘れることができぬのであった...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...彼を一生の想い出として生きよう――それは...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「碧眼」
...点々と真紅の不審紙を貼り付けたものの視像を今でもありありと想い出すことができるが...
寺田寅彦 「柿の種」
...従って科学者は自分の研究以外の事で常に忙しい想いをするように余儀なくされる...
寺田寅彦 「雑記(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...*64「虚無とは『生きている』と意識しないこと」と定義した上でボオドレェルの“Le Nant”への憧憬を想い出すこと...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...自由党を脱退した事につき想い出すのは...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...初めてドイツに入った日のことを想い起した...
三木清 「読書遍歴」
...想い見よ、まことに、我らの前にありし数世紀は、我らにとりて全くなかりしも同然なることを...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...今も私たちは沖縄に行きたくてたまらない想いにしばしば襲(おそ)われます...
柳宗悦 「沖縄の思い出」
...いつ聞いても幾度聞いても始めて聞く想いがあるのが本当に聞いている時だと思います...
柳宗悦 「益子の絵土瓶」
...六例えばここに一枚の絵を想い浮べるとしよう...
柳宗悦 「民藝四十年」
...そこでひたむきに稼いでいる彼の姿を想いやったとき...
山本周五郎 「柳橋物語」
...真心こめた日ごろの想いを打ち明け出した...
横光利一 「旅愁」
...画廊で戯れたさきの木山老人の姿を想い出して傍の千鶴子を仰いだ...
横光利一 「旅愁」
...この若い武士の想いは純情(じゅんじょう)だった...
吉川英治 「黒田如水」
...その肉を想いなどして...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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