...なごり惜しそうに...
岩野泡鳴 「耽溺」
...理学士はまだ惜しそうに...
海野十三 「恐しき通夜」
...さも口惜しそうに口を切った...
江見水蔭 「死剣と生縄」
...今朝はペータアさんが大そう名残惜しそうにしていた...
谷崎潤一郎 「細雪」
...残り惜しそうに開いたままの本を脚の上に伏せた...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...正月餅(もち)があるうちァ寄りつきもせん――」そんなとき彼女の口惜しそうな毒口は...
徳永直 「冬枯れ」
...それをお角は口惜しそうに手に取ると...
中里介山 「大菩薩峠」
...とうとう年貢を納めさせられるよ」房吉は口惜しそうに歯咬(はが)みをします...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...親分」八五郎はまだ口惜しそうに...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...いままでヌケヌケと東京に暮(アンゴ)しているてえんだから……」乾はいかにも口惜しそうな顔をして...
久生十蘭 「金狼」
...残り惜しそうに――「何なら...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...ほ、ほ、口惜しそうに、そんなに怖い顔をしたって、駄目の皮さ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...惜しそうにしてしいて夫人の手から取り上げることはしなかったから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...はるかに狼(おおかみ)が凄味の遠吠(とおぼ)えを打ち込むと谷間の山彦がすかさずそれを送り返し,望むかぎりは狭霧(さぎり)が朦朧(もうろう)と立ち込めてほんの特許に木下闇(こしたやみ)から照射(ともし)の影を惜しそうに泄(も)らし...
山田美妙 「武蔵野」
...残り惜しそうに女を見つつ...
夢野久作 「暗黒公使」
...口惜しそうに坂道を一散に馳け降りたが...
横光利一 「馬車」
...馬春堂は残り惜しそうな顔色にみえる...
吉川英治 「江戸三国志」
...……残念だ!」「逃がしたのか」「これを見てくれ」と、波越は腕につかんでいる捕縄(とりなわ)を、わなわなと見せて、口惜しそうに、叩きつけた...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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