...あるに任せて惜しげもなく仕払いをした...
有島武郎 「或る女」
...万という金を惜しげもなく散じて...
伊藤左千夫 「去年」
...惜しげもなく奉納をし過ぎた...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...茶の珍種を得んためにその財宝を惜しげもなく費やした...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...次に氷嚢を釣り下げる器械を枕許に置いて共に惜しげもなく氷を入れた二個の氷嚢をぶら下げて額に當てた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...厠の床に惜しげもなく両手をついて...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...残る全部の大千世界を惜しげもなくむざむざと捨ててしまうのである...
寺田寅彦 「カメラをさげて」
...その上に惜しげもなく水道管から水をふり注いでいる...
永井隆 「長崎の鐘」
...惜しげもなくはみ出して見せるところに...
中里介山 「大菩薩峠」
...惜しげもなくボーボー燃やしては...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...惜しげもなく品物をくれてやった...
長谷川伸 「討たせてやらぬ敵討」
...そこへ行く途中ずっと彼女はパレロワイヤルで彼に惜しげもなく与えた熱烈なキスを拒否し続けた...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...大丸髷に金輪の根を卷きて黒縮緬の羽織何の惜しげもなく...
樋口一葉 「十三夜」
...マニラに集積した軍需品と兵力を惜しげもなくレイテへ注ぎこんだが...
久生十蘭 「ノア」
...惜しげもなく脱いできたやうな氣がしてならなかつた...
堀辰雄 「燃ゆる頬」
...圓遊の速記を見ると、異人館、ヒンヘット、馬駆(競馬)、奈良の水害、自転車競争、権妻二等親、甘泉、リキュール、フラン毛布、西洋料理と、明治開化の種々相が、皮相ではあるが、南京玉をちりばめたように、惜しげもなく、随所に満ちあふれ、ふりこぼれている、あたかも黙阿弥のざんぎりものの、仕出しのセリフを見るように――...
正岡容 「随筆 寄席囃子」
...栄二はそれらを惜しげもなく...
山本周五郎 「さぶ」
...新しく得られた彼らの階級の優越なる地位を惜しげもなく捨てたのである...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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