...フレンチの向側の腰掛には、為事着(しごとぎ)を着た職工が二三人、寐惚けたような、鼠色の目をした、美しい娘が一人、青年が二人いる...
アルチバシェッフ M. Artzibaschew 森鴎外訳 「罪人」
...あの鼠色の寐惚けたような目を見ては...
アルチバシェッフ M. Artzibaschew 森鴎外訳 「罪人」
...俺の母犬(おふくろ)は俺を生むと間もなく暗黒(やみ)の晩に道路(わうらい)で寝惚けた巡行巡査に足を踏まれたので...
内田魯庵 「犬物語」
...まだ睡気(ねむけ)の残っているような薄寝惚け声で云った...
谷崎潤一郎 「鍵」
...(その実寝惚けているのではない...
谷崎潤一郎 「鍵」
...―――寝惚けているのを意識しながら...
谷崎潤一郎 「鍵」
...妙子は空惚(そらとぼ)けようとしても空惚けきれないで...
谷崎潤一郎 「細雪」
...寝惚けたふりしたかて...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...人が見てたらあないに空惚けまんねんが...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...両方の酔(え)いがまださめきらぬ薄寝惚けた足取りでそこへ来たときに...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...そんな事ちょっとも惚けてエへん」と...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...」と寝惚けた上さんの声が聞えた...
豊島与志雄 「球突場の一隅」
...僕なんざあとても敵(かな)わない」「空惚けるっていうのはあなたの事じゃありませんか」「ええ...
夏目漱石 「明暗」
...あなたはきつと寝惚けていらつしやるんですね...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...売つた?利助 惚けようたつて駄目だぞ! これを見ろ...
三好十郎 「地熱」
...汽車に揺られて、節々が痛む上に、半分寐惚けて、停車場に降りた...
リルケ Rainer Maria Rilke 森鴎外訳 「白」
...」「惚けなもんですか...
森林太郎 「身上話」
...いや、忘れ惚けたのか、この、老いぼれは」「老いぼれとは」「まあ、怒り給うな...
吉川英治 「平の将門」
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