...南無大慈大悲の泥烏須如来(デウスにょらい)!邪宗(じゃしゅう)に惑溺(わくでき)した日本人は波羅葦増(はらいそ)(天界(てんがい))の荘厳(しょうごん)を拝する事も...
芥川龍之介 「神神の微笑」
...惑溺して思ひを潛めずにはゐられない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...ベトオフェンの第六交響楽レコオドへの惑溺(わくでき)というような事は皆この要求充足の変形であったに相違なく...
高村光太郎 「智恵子の半生」
...将軍家の御趣味に御惑溺の御日常が...
太宰治 「右大臣実朝」
...渠は性として惑溺(わくでき)することが出来ぬ或る一種の力を有(も)っている...
田山花袋 「蒲団」
...恋はいつ惑溺(わくでき)するかも解らん」「私はそないなことは無いつもりですけどナ」「誓い得るですか」「静かに...
田山花袋 「蒲団」
...芳子先生 おんもとへ恋の力は遂に二人を深い惑溺(わくでき)の淵(ふち)に沈めたのである...
田山花袋 「蒲団」
...日本画風の繊細な感じに富んだ手や脚に惑溺(わくでき)していた...
徳田秋声 「仮装人物」
...耽美的な情緒に惑溺する時代を通り越した...
萩原朔太郎 「愛の詩集」
...この數年來著るしく傳統的な日本趣味に惑溺してゐる...
萩原朔太郎 「詩に告別した室生犀星君へ」
...愛や人道やに惑溺(わくでき)している倫理主義を...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...その惑溺はなはだ少なし...
福沢諭吉 「物理学の要用」
...この私論(しろん)の結果をもって惑溺を脱したるは...
福沢諭吉 「物理学の要用」
...ひたすらその城主の事蹟に就いての詳細な研究に惑溺する身と変つてゐた...
牧野信一 「熱い風」
...ゆえに迷惑、惑溺、惑乱、惑星は実はメイコク、コクデキ、コクラン、コクセイが本当だけれど、今これをメイワク、ワクデキ、ワクラン、ワクセイといわないと世間に通じない...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...これに惑溺したのだそうであります...
夢野久作 「鼻の表現」
...又アラユル欲望ニ惑溺(ワクデキ)シテサメザルモノハ...
吉川英治 「親鸞」
...また惑溺の中にあっても彼は不惑の年に達しているのである...
和辻哲郎 「孔子」
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