...ベトオフェンの第六交響楽レコオドへの惑溺(わくでき)というような事は皆この要求充足の変形であったに相違なく...
高村光太郎 「智恵子の半生」
...所謂グロテスクの不健康な惑溺(わくでき)がない...
高村光太郎 「美の日本的源泉」
...芳子の恋は更に惑溺(わくでき)の度を加えた様子...
田山花袋 「蒲団」
...衣食に苦しんでまでもこの東京に居るなども意味がありそうですわい」「それは恋の惑溺であるかも知れませんから善意に解釈することも出来ますが」「それにしても許可するのせぬのとは問題になりませんけえ...
田山花袋 「蒲団」
...そこできわめて奔放自由な解放(エマンシペーション)に惑溺(わくでき)していたのであった...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...あまりに深く惑溺(わくでき)しすぎているからである...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...私はシヨーペンハウエルに惑溺してゐたので...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...ベラールはどうにもならないほどジャンヌ夫人に惑溺していて...
久生十蘭 「悪の花束」
...虚誕妄説を軽信して巫蠱(ふこ)神仏に惑溺し...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...その惑溺をたくましゅうし...
福沢諭吉 「物理学の要用」
...私は常軌を逸した飲み騒ぎに惑溺(わくでき)し...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「ウィリアム・ウィルスン」
...ひたすらその城主の事蹟に就いての詳細な研究に惑溺する身と変つてゐた...
牧野信一 「熱い風」
...惑溺的なリズムは決してないもので...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...其父抽斎は阿部侯惑溺の説は訛伝(くわでん)だと云つたさうである...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...金銀を借りては酒色に惑溺(わくでき)したり...
吉川英治 「三国志」
...宋江はそれに惑溺(わくでき)しきれない不幸児でもあったのだ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...又アラユル欲望ニ惑溺(ワクデキ)シテサメザルモノハ...
吉川英治 「親鸞」
...みずから惑溺(わくでき)を求めて...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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