...ベトオフェンの第六交響楽レコオドへの惑溺(わくでき)というような事は皆この要求充足の変形であったに相違なく...
高村光太郎 「智恵子の半生」
...将軍家の御趣味に御惑溺の御日常が...
太宰治 「右大臣実朝」
...彼女の愛に惑溺(わくでき)して眼が眩(くら)んでいた私には...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...それに惑溺(わくでき)したのである...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...昏迷惑溺(こんめいわくでき)した形でも...
田山録弥 「動的芸術」
...渠は性として惑溺(わくでき)することが出来ぬ或る一種の力を有(も)っている...
田山花袋 「蒲団」
...恋はいつ惑溺(わくでき)するかも解らん」「私はそないなことは無いつもりですけどナ」「誓い得るですか」「静かに...
田山花袋 「蒲団」
...時雄は惑溺せぬものならば...
田山花袋 「蒲団」
...『*無慙のパリス! 姿のみ美にして婦女に惑溺し...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...日本画風の繊細な感じに富んだ手や脚に惑溺(わくでき)していた...
徳田秋声 「仮装人物」
...いかなる惑溺的(わくできてき)の政略も...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...夜も昼も無い惑溺の生活を続けたと言っても差支(さしつかえ)は無いでしょう...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...私までもロシア文芸の惑溺(わくでき)に引き摺り込んでしまった...
野村胡堂 「随筆銭形平次」
...あまりに深く惑溺(わくでき)しすぎているからである...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...私は常軌を逸した飲み騒ぎに惑溺(わくでき)し...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「ウィリアム・ウィルスン」
...わたくしは決して惑溺なぞはしていません...
森鴎外 「蛇」
...これに惑溺したのだそうであります...
夢野久作 「鼻の表現」
...宋江はそれに惑溺(わくでき)しきれない不幸児でもあったのだ...
吉川英治 「新・水滸伝」
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