...惑溺して思ひを潛めずにはゐられない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...羅はそれに惑溺(わくでき)して通っていたが...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「翩翩」
...その惑溺(わくでき)の半分をすら...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...それに惑溺(わくでき)したのである...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...惑溺(わくでき)するということは理想がないからです...
田山花袋 「田舎教師」
...時雄は惑溺せぬものならば...
田山花袋 「蒲団」
...衣食に苦しんでまでもこの東京に居るなども意味がありそうですわい」「それは恋の惑溺であるかも知れませんから善意に解釈することも出来ますが」「それにしても許可するのせぬのとは問題になりませんけえ...
田山花袋 「蒲団」
...虚誕妄説を軽信して巫蠱(ふこ)神仏に惑溺し...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...葡萄の美酒に惑溺して自からこれを禁ずるを知らず...
福沢諭吉 「経世の学、また講究すべし」
...陰陽五行の妄説に惑溺して...
福沢諭吉 「物理学の要用」
...そして、また私は、事毎に、この世で出遇ふあらゆる出来事に、在る間は、惑溺し、熱中し、根限りの現を抜かして、棄てられるまでは自ら先に離さうとしない執心に、因果な矛盾を感じるのであつた...
牧野信一 「熱い風」
...惑溺的なリズムは決してないもので...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...妻に惑溺(わくでき)しているように思ったりしているようです...
森鴎外 「蛇」
...わたくしは決して惑溺なぞはしていません...
森鴎外 「蛇」
...これに惑溺したのだそうであります...
夢野久作 「鼻の表現」
...あらゆる惑溺(わくでき)を...
吉川英治 「大岡越前」
...みずから惑溺(わくでき)を求めて...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...不惑の齢に達したものの惑溺はその人の信用を覆(くつがえ)してしまう...
和辻哲郎 「孔子」
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