...わがはなはだ惑うところなり...
井上円了 「欧米各国 政教日記」
...わたし達もお手伝いしましょう」そこで二人はしばらく戸惑うようにしていたが...
大阪圭吉 「灯台鬼」
...老来ます/\惑うて...
種田山頭火 「其中日記」
...自分の考え惑うてきたことが一々手にとるようにハッキリと説明されている...
辻潤 「自分だけの世界」
...「おれは多分死ぬだろう!」彼は自分へ言い惑うように言った...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...日頃は人をも恐れぬ小禽(ことり)の樹間に逃惑うさまいと興あり...
永井荷風 「夕立」
...群集の逃げ惑う真中に...
中里介山 「大菩薩峠」
...然(しか)も何等かの関係あるべしと思い惑う様である...
夏目漱石 「幻影の盾」
...戸惑うばかりです」「その人物ですが...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...彼はそれ迄思ひ惑うてゐたところの父を取り入れた第一の短篇を書いたのだ...
牧野信一 「父を売る子」
...一度此方へ帰つて来て――」何かうまい口実は見つからないものかと彼が思ひ惑うてゐるうちに...
牧野信一 「渚」
...散々思い惑うた末...
宮本百合子 「栄蔵の死」
...思い惑う様子にて...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 森鴎外訳 「家常茶飯」
...されどわれはたやすく惑うものにあらず...
森鴎外 「文づかい」
...逃げ惑う宿の人々のあいだをぬけて...
山本周五郎 「夜明けの辻」
...段珪(だんけい)はひとり野道を逃げ惑うてきたが...
吉川英治 「三国志」
...幕将たちも、惑うばかりで、「裏切ではないか」と、いってみたり、「また、雑兵どもの、喧嘩沙汰ではないか」と、いったりした...
吉川英治 「新書太閤記」
...自分は久しく焦点を定め惑うていた...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
便利!手書き漢字入力検索