...けっして戸惑うことはありません...
江戸川乱歩 「影男」
...翁はあわてて惑う人々を案内して人家のある所まで伴れて往ってくれた...
田中貢太郎 「蛇性の婬」
...君の言うとおりだとしよう」とサモイレンコは思い惑うように...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...「お前は馬鹿だ!」と誰かがその声のない言葉を舌の先きでまるめこんでしまった――彼は歩きながらこんなことを繰返し惑うていた...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...思い惑うているそこへ...
中里介山 「大菩薩峠」
...然(しか)も何等かの関係あるべしと思い惑う様である...
夏目漱石 「幻影の盾」
...その内にふと嬉しく思い惑う事に出遇(であ)ッた...
二葉亭四迷 「浮雲」
...右に作為し左に腐心し迷い惑う...
柳宗悦 「工藝の道」
...いささかも思い惑うことのない...
山本周五郎 「日本婦道記」
...秘術を尽して逃げ惑うのを...
夢野久作 「書けない探偵小説」
...惑うこともなくすぐ答えた...
吉川英治 「三国志」
...山もゆるがす勝鬨(かちどき)をあげながら蜀兵はうろたえ惑う統軍へ喚(おめ)きかかった...
吉川英治 「三国志」
...同じように動揺(どよ)めき惑うばかりだった...
吉川英治 「新書太閤記」
...田楽狭間(でんがくはざま)は、この道を真東(まひがし)よな」柴田権六とか林佐渡とかいう重臣たちは、むしろ物見の報告を、非常な惑いと、危惧をもって聞いたので、信長の直感と、その驀進(ばくしん)ぶりを、たって止めたが、信長は肯(き)かず、「卿(けい)ら、老朽の智者ども、この期(ご)になお、何を惑うぞ...
吉川英治 「新書太閤記」
...幕将たちも、惑うばかりで、「裏切ではないか」と、いってみたり、「また、雑兵どもの、喧嘩沙汰ではないか」と、いったりした...
吉川英治 「新書太閤記」
...泣き惑うてはただうろうろ...
吉川英治 「新書太閤記」
...やはり惑うに際限はなかったことであろう...
吉川英治 「新書太閤記」
...自分は久しく焦点を定め惑うていた...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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