...情痴といふやうな事は私にはよく解らない...
種田山頭火 「其中日記」
...無智と情痴(じやうち)の世界に...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...すくなくとも「恋愛的感傷」から「情痴的感傷」への文化的低落と...
萩原朔太郎 「流行歌曲について」
...情痴だけの世界がある...
葉山嘉樹 「山谿に生くる人々」
...またとうぶん情痴(じょうち)と懶惰(らんだ)の生活が続いた...
牧逸馬 「浴槽の花嫁」
...殊に水神の八百松は「水神の森の夜がらす夜泣きして我ら眠らずものをこそおもへ」とわが師吉井勇が去りにし日の情痴にも如実である...
正岡容 「浅草燈籠」
...その中で私は已に情痴を解し...
正岡容 「旧東京と蝙蝠」
...日本の過去の文学が、情痴は描いて、愛の表現というものには乏しかった...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...変態なかれの情痴をぶちこわして了ったのである...
室生犀星 「幻影の都市」
...少女エラ子に絡まる情痴関係の殺人が...
夢野久作 「ココナットの実」
...その風貌ばかりでなくその電撃的な行動や多感な情痴と熱においても...
吉川英治 「三国志」
...情痴な洟(はな)を啜(すす)らせて...
吉川英治 「新書太閤記」
...彼も情痴の所有者である...
吉川英治 「新書太閤記」
...元来が、煩悩児(ぼんのうじ)であり、情痴においては、自分を制御(せいぎょ)したり、かくせない一面を、生れながら持っている大凡人(だいぼんじん)である...
吉川英治 「新書太閤記」
...情痴にひとしい過(あやま)ちから」「はははは...
吉川英治 「新・水滸伝」
...情痴(じょうち)の惻々(そくそく)と打つような恋歌などを...
吉川英治 「親鸞」
...嫉妬――ひがみ――情痴――さまざまなものを持った世間なみの妻でしかあり得ないのである...
吉川英治 「親鸞」
...情痴の獣(けもの)になりきってしまう...
吉川英治 「宮本武蔵」
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