...葉子などをやすやすと袖(そで)にするまでにその情炎は嵩(こう)じていると思うと耐えられなかった...
有島武郎 「或る女」
...お夏の狂乱は「情炎」の狂い姿であって...
上村松園 「花筐と岩倉村」
...男の愛撫(あいぶ)に打ちまかせて夜ごとに情炎を燃やした身を...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「イオーヌィチ」
...期待した以上の上物なので情炎の更に燃え上るのを覚えました...
西尾正 「陳情書」
...崇高な情炎の中に没入してしまうようなピアニシモである...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...六の君が後宮へはいった時から源氏の情炎がさらに盛んになった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...中納言は昔の後悔が立ちのぼる情炎ともなって...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...自分の情炎に溶けきれないものが男のどこかに残っている不満です...
吉川英治 「江戸三国志」
...情炎の獣(けだもの)です...
吉川英治 「江戸三国志」
...血を見た情炎の男は狂うばかりです...
吉川英治 「江戸三国志」
...二人はもうどうしていいか分らぬほどな情炎に包まれて伽羅油(きゃらゆ)のとろ火で煮られたかのような酔心地になりかけていた...
吉川英治 「剣難女難」
...男でも面を向けていられないような情炎が――とびついてくるような熱慾が――歴々火となって燃えて見えたではないか...
吉川英治 「剣難女難」
...囈言(うわごと)じみた情炎の悲鳴を洩らしているなども...
吉川英治 「新・水滸伝」
...皮膚そのものの下にいつも仄(ほの)かな情炎の血を灯(とも)し...
吉川英治 「新・水滸伝」
...野火(のび)のような情炎で焼きつくした...
吉川英治 「平の将門」
...彼は情炎の猟犬に等しい...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...熱病のような本能の情炎が...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...いつも火のような情炎を肌のあぶらに焚(た)いている女の……...
吉川英治 「八寒道中」
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