...情けねえありさまよ...
犬田卯 「瘤」
...身をめぐる暖かき人の情けを吸いて...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...善良で、情け深くて、怜悧(れいり)であって、多くの死を悲しんできていながら、友の歯痛の苦しみをも感じられないことがある...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...私は情け深い人に拾われて...
野村胡堂 「死の予告」
...情けなくなりましたよ――穴のあいたのが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...やっとお情けで両親の心配をしているほかには何一つ気にはかけず...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...浅ましい姿を眼にしなければならないというのは情けない...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...こんな情けない原因で佐伯氏に逢えなくなるのは...
久生十蘭 「キャラコさん」
...情けにすがろうと決めた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...「夜露の情けは、もう、待たずとも――」「この腕の続くかぎり――」雪五郎が、そろつて、朝靄の底から窓を目がけて赤松のやうな腕を突き伸した...
牧野信一 「バラルダ物語」
...そんなにまでして人気が取りてえという了見方が情けねえじゃねえか...
正岡容 「小説 圓朝」
...本当に情けなくって泣きたい気持ちで一杯です...
三浦環 「お蝶夫人」
...語りものの中の男女の情けの戯(たわむ)れは...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...庭の花も情けなくばかり見えるのですが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...何とも言わないままで情けないことにするであろうのを思うと...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...だから最近に栄転した前署長のお情けで...
夢野久作 「老巡査」
...情けない心地がした...
吉川英治 「新書太閤記」
...しかし情けないことに自分の専攻の仕事が精一杯で博士の研究の跡をたどる余力はなかったのである...
和辻哲郎 「孔子」
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