...どこかで大きな手が情けもなく容赦もなく冷然と自分の運命をあやつっている...
有島武郎 「或る女」
...山登りは完全な用意が必要だとつくづく情けなくなった...
板倉勝宣 「五色温泉スキー日記」
...弟にたいする熱い情けをすべてその仕事にうち込み...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...情け深しと興がる...
夏目漱石 「野分」
...何という情けないことでしょう...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...乞食のやうに成り下がつた我が身がつく/″\情けなく...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ベンチの横に立っているお情けのような終夜燈の光が...
橋本五郎 「地図にない街」
...ちっとも情けながっていないんだからな...
久生十蘭 「キャラコさん」
...なんという情けないことだろう...
久生十蘭 「だいこん」
...先生は情けなくなる」それは誤解……ぼくはアルバイトなんかしていたんじゃない...
久生十蘭 「母子像」
...一週間ばかり前にそれを思ひ立つた時などは実際情けない気持で仕方がなく決めたやうなものだつた...
牧野信一 「坂道の孤独参昧」
...彼は、破れかぶれな気で、細君からパンツとシャツを受け取ると、情けなく、手早くそれを身に纏うた...
牧野信一 「父を売る子」
...「お婆さんか」といわれたんで情けなくなってしまいましたが...
三浦環 「お蝶夫人」
...某(それがし)そんな辛い目をして五十年も長らえるはいかにも情けない...
南方熊楠 「十二支考」
...恐ろしく情けないことの多くなったのは堪えられぬことであると...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...人の子の情けを知らず...
吉川英治 「大岡越前」
...情けないお姿になられたなあ」花和尚は涙もろい...
吉川英治 「新・水滸伝」
...こんな情けない言葉を聞こうとは...
吉川英治 「鳴門秘帖」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??