...甲板上に展開してゆくこの悽愴(せいそう)な光景に魅せられたように...
海野十三 「海底大陸」
...これまで味わった事のない悽愴(せいそう)の思いに襲われた...
太宰治 「斜陽」
...彼は何か悽愴(せいそう)な感じと悲痛の念で...
徳田秋声 「仮装人物」
...止(と)めるにも止(と)めかねて勢(いきほ)ひの悽(すさ)まじさに唯(たゞ)おど/\と氣(き)を呑(の)まれし...
樋口一葉 「たけくらべ」
...いずれもなんとも形容しかねるような悽愴な色が流れている...
久生十蘭 「魔都」
...当時の周囲から求められている女らしさとはまるでちがった悽愴な形で...
宮本百合子 「新しい船出」
...悽愴極まる屍体の山と石油臭の中に隔離されている約一小隊の生霊に...
夢野久作 「戦場」
...透きとおる程悽惨に照し出した...
夢野久作 「戦場」
...まだ十分と経たない中(うち)に見る見る悽惨を極めた修羅場と化する……...
夢野久作 「暗黒公使」
...悽惨味を心ゆくまで玩味させる読物ではないか...
夢野久作 「探偵小説の真使命」
...只悽愴たる感じにのみ打たれた...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...悽愴とした感じ……...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...きたるべきものが来たという悽愴(せいそう)な気以外...
吉川英治 「私本太平記」
...血戦の巷(ちまた)に聞く貝はいんいんと悽愴(せいそう)な余韻(よいん)をひいて何ともいえぬ凄味のあるものだが...
吉川英治 「新書太閤記」
...悽愴(せいそう)の気にまみれている...
吉川英治 「新書太閤記」
...あまりにも悽愴(せいそう)すぎる...
吉川英治 「新書太閤記」
...一陣の悽風(せいふう)とともに...
吉川英治 「新・水滸伝」
...ただ悽愴(せいそう)な鬼気だけがシーッと凍りつめてくる...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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