...縛(いましめ)の鎖も切れるばかり身悶えをした有樣は...
芥川龍之介 「地獄變」
...それを聞くと子供はつけこむやうに殊更声を曇らしながら身悶(みもだ)えした...
有島武郎 「An Incident」
...歎き悶(もだ)ゆる風情を見て...
泉鏡花 「活人形」
...」当時の二葉亭の煩悶はこの数節に由るも明(あきら)かであろう...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...とたんに仙太の顔がキューッと苦悶(くもん)に歪(ゆが)む...
海野十三 「疑問の金塊」
...失恋の傷手(いたで)に悶々(もんもん)たる烏啼の奴は...
海野十三 「心臓盗難」
...道徳の煩悶(はんもん)とかをはじめて...
太宰治 「おさん」
...といっても、けっして散歩気分にはならないで、無数の苦悶と、屈辱と、いら立たしい憤懣とを味わったのだが、しかしわたしにとっては確かにそれが必要だったらしい...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...飢えと苦悶とは鎮まらなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...その苦悶を救うに足らないことに悩まされている...
中里介山 「大菩薩峠」
...然しながら妻に對する煩悶は私の心を更に掻き亂しました...
長塚節 「教師」
...切なさうに胸をおさへて何時までも突伏して身悶えをした...
牧野信一 「風媒結婚」
...ペン先に眼を落したりして悶える如き姿を...
牧野信一 「武者窓日記」
...かえって東宮を危うくするものでないかなどとも煩悶(はんもん)をあそばすのであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...しないでよいはずの煩悶(はんもん)で自身を苦しめることにもなるのだからと否定に傾きもするのだが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...必ず水戸家とめあいだに悶着(もんちゃく)が再発する...
山本周五郎 「新潮記」
...かれは再び苦悶の色をあらわして...
吉川英治 「江戸三国志」
...荒縄に縛られたまま苦悶していた二人の兄弟分を見つけ出して...
吉川英治 「剣難女難」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??