...それを聞くともう溜らないやうに身悶(みもだ)えした...
薄田泣菫 「茶話」
...作家の苦悶に就(つ)いては...
太宰治 「乞食学生」
...ひとり恥ずかしく日夜悶悶...
太宰治 「創生記」
...顏には表はしませんでしたが心の中には焦燥苦悶がさぞあつた事でせう...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...まったくあわれむべき煩悶(はんもん)のうちにもだえていたあの人にほかならなかった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...徒に平素憂悶の日を送るは...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...わたしの胸がこんなにわくわくしてじっとしてはいられない」お君は鏡台の前に立って悶(もだ)えるように...
中里介山 「大菩薩峠」
...斯(か)う云ふ意味の孤独の底(そこ)に陥(おちい)つて煩悶するには...
夏目漱石 「それから」
...その光の影には引き裂かれるやうな苦悶が...
南部修太郎 「疑惑」
...じぶんで処理せねばならぬ煩悶(はんもん)であった...
新美南吉 「屁」
...何卒(なにとぞ)暫しの苦悶を忍びて...
福田英子 「母となる」
...苦悶の状態は妻と全く同様だつた...
牧野信一 「F村での春」
...それでその日は時候のためか何のためかとにかく煩悶の中に一日を送つてしまふた...
正岡子規 「病牀六尺」
...姫君たちをどうさせればよいことかと尚侍は煩悶(はんもん)しているのである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...その新しいこととでもこもごもにあの人が煩悶をするであろうことが想像できるではないかなどとまた賢い反省はしてみても...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...自分の詩の根本は苦悶で漲つてゐる...
室生犀星 「愛の詩集」
...彼女は煩悶をしない女です...
吉川英治 「江戸三国志」
...もし気がつく者があれば、怪しまれるほど、苦悶の状を、その面(おもて)に深く描いた...
吉川英治 「大岡越前」
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