...かくも憔悴しきった二人の戦隊長を見たことがなかったので...
海野十三 「十八時の音楽浴」
...前に会ったときより一段と憔悴の見える正造の顔を見つめつつ...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...さなきだに彼(かれ)の憔悴(しょうすい)した顔(かお)は不幸(ふこう)なる内心(ないしん)の煩悶(はんもん)と...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六号室」
...其方(そち)は善き悴(せがれ)を持ちて仕合者(しあはせもの)ぞ』と仰せらるゝを...
高山樗牛 「瀧口入道」
...これも謂はば地主の悴の贅澤の一種類にすぎないのだし...
太宰治 「ダス・ゲマイネ」
...あれほど元気な君が二三日の間にすつかり憔悴してしまつてゐる...
種田山頭火 「其中日記」
...九穂子二十年来の痳疾、膏盲に入り小水通ぜず、顔色憔悴せり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...ひどく憔悴して見えた...
萩原朔太郎 「芥川龍之介の死」
...私は日々に憔悴(しょうすい)し...
萩原朔太郎 「猫町」
...宿まで行つてみないか?」嘉吉の憔悴した容子を見ると...
林芙美子 「朝夕」
...憔悴した頬が少年のそれのように生々とかがやき...
久生十蘭 「黒い手帳」
...その手も顏と同じやうに憔悴(せうすゐ)して見えるのが...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...夫や悴を古風な教育に屈服させようと努めるのだが...
牧野信一 「父の百ヶ日前後」
...あの忘られない憔悴は今度ありません...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...京水は官蔵を「富小路殿御内斎藤平蔵悴也」と書してゐる...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...親がその名であったから悴(せがれ)も差支えないことと思い...
柳田國男 「名字の話」
...ぜんたいに憔悴(しょうすい)して見えたが...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...ただの憔悴(しょうすい)ともみえなかった...
吉川英治 「私本太平記」
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