...面(おもて)は憔悴(しょうすい)はしていたが...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...顔は蒼白くむくんで憔悴のいろに蔽われていた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...さなきだに彼(かれ)の憔悴(しょうすい)した顔(かお)は不幸(ふこう)なる内心(ないしん)の煩悶(はんもん)と...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六号室」
...大寒(だいかん)の埃(ほこり)の如く人死ぬる大寒や見舞に行けば死んでをり悴(かじか)める手上げて人を打たんとす悴める手上げて見て垂(た)らしけり一月九日 さみだれ会...
高浜虚子 「五百五十句」
...『それでこそ茂頼が悴(せがれ)...
高山樗牛 「瀧口入道」
...母はまた悴の伴れている美しい女を見て悦んで慰めた...
田中貢太郎 「嬌娜」
...「どうか二度と悴を呼ばないようにしてください...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「田七郎」
...ひどく憔悴(しょうすい)したつやのない青白い顔色をしてほかの人の群れから少し離れて立っていた姿が思い出される...
寺田寅彦 「備忘録」
...私は時として私の肉體の一部がしぜんに憔悴してくることを感ずる...
萩原朔太郎 「散文詩・詩的散文」
...兄の顔色は憔悴(しょうすい)していた...
原民喜 「永遠のみどり」
...あの方は驚くほど憔悴(しょうすい)なすっていられるように見えた...
堀辰雄 「楡の家」
...――樽野の悴は、着物などはまるで体から離れて腰にはさんだタオルのやうに傍の方にまるまつて、シヤツと股引(もゝひき)ひとつになつてしまひ、腹匐(はらば)ひで、頬つぺたをぢかに畳におしつけ、涎を垂してゐた...
牧野信一 「お蝶の訪れ」
...たしかに樽野の悴の女房が...
牧野信一 「お蝶の訪れ」
...あのときの憔悴というものは...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...すでに私の憔悴が極端に異常であることを見取った秋成主治医は...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...父の寝顔はすさまじいほど憔悴(しょうすい)してい...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...ぜんたいに憔悴(しょうすい)して見えたが...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...悴が死にかかっていますので...
横光利一 「蠅」
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