...ふと婦人がさる悲酸の事実譚(だん)を話し出された...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...この悲酸(ひさん)のうちに籠(こも)る快感の別号に過ぎん...
夏目漱石 「草枕」
...それをあえてしなければ立ち行かない日本人はずいぶん悲酸(ひさん)な国民と云わなければならない...
夏目漱石 「現代日本の開化」
...普通の人よりも悲酸(ひさん)の程度が一層甚(はなは)だしいのではないかと考えた...
夏目漱石 「行人」
...二十五こんな悲酸(ひさん)な退院を余儀なくされる患者があるかと思うと...
夏目漱石 「行人」
...旨(うま)いものでも食って死ななくっちゃ」私には旨いものという父の言葉が滑稽(こっけい)にも悲酸(ひさん)にも聞こえた...
夏目漱石 「こころ」
...悲酸(ひさん)な事情とか...
夏目漱石 「野分」
...これを悲酸(ひさん)なる煩悶(はんもん)と云う...
夏目漱石 「野分」
...また一週間絶食をしたという悲酸(ひさん)な物語もあった...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...ボーシャン塔の歴史は悲酸(ひさん)の歴史である...
夏目漱石 「倫敦塔」
...手紙の文句も頗(すこぶ)る悲酸(ひさん)であったから...
夏目漱石 「『吾輩は猫である』中篇自序」
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