...私はそれを人生の最も悲劇的な矛盾であると云はう...
有島武郎 「運命と人」
...友人達の悲劇的な悲哀は完全に演出され...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...さてそのうえで悲劇的な演技が始ってこそ初めて客の涙を要求することができるのであるが...
伊丹万作 「映画と癩の問題」
...天才の誕生からその悲劇的な末路にいたるまでの長編小説であった...
太宰治 「猿面冠者」
...この多少悲劇的な乃至は寧ろ喜劇的な結末は必然であった...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...分類概念の有つ云わば悲劇的な性格内に存在することを注意しよう...
戸坂潤 「科学方法論」
...今からちょうど十三年前に悲劇的な陰惨な最後を遂げたために...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...我々は師父のあの弱さの中に見られるある悲劇的なものに惹(ひ)かれるのではないか...
中島敦 「悟浄歎異」
...そしてその「悲劇的な運命」の人々の顔が...
長與善郎 「青銅の基督」
...悲劇的な死にかたのやうでゐて...
林芙美子 「なぐさめ」
...幸も不幸ももろともにおし潰してしまう悲劇的な宿縁の翳といったようなものが感じられる...
久生十蘭 「新西遊記」
...殊に此の手帳に描かれてあるような私の悲劇的な姿なんぞはほんの気まぐれな仮象にしか過ぎないのだ...
堀辰雄 「菜穂子」
...いくらかずつ悲劇的な性質を帯びだした...
堀辰雄 「麦藁帽子」
...そういった悲劇的なものは...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...どんなに扮装をこらしても悲劇的な感じが出ませんでした...
三浦環 「お蝶夫人」
...人間の担っている悲劇的なディレンマである...
矢部貞治 「政治学入門」
...それが或る思いもかけぬ悲劇的な出来事のために...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...あるいは維盛最後の悲劇的な心持ちが...
和辻哲郎 「院展遠望」
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