...その証拠には自分の如く平生好んで悪辣な弁舌を弄する人間でも...
芥川龍之介 「兄貴のような心持」
...却(かえ)って悪辣なる荘子の為にさんざん油をとらるるに終る...
芥川龍之介 「北京日記抄」
...仮面の悪人どもを語(かた)らいあらゆる悪辣なる手段を弄してその奪還を図ったのだ...
海野十三 「深夜の市長」
...それにも不拘(かかわらず)私の一家は秀岡の悪辣な手にかかって破産せられ...
大庭武年 「旅客機事件」
...そんな悪辣な人たちの罠(わな)にかからんように気イ附けなさいや」と...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...修行者の間には悪辣なる大羅漢だが...
中里介山 「大菩薩峠」
...悪辣な紺野は此密室のあることは知って居たのですが...
野村胡堂 「向日葵の眼」
...少し悪辣な生活をした人は...
野村胡堂 「笑う悪魔」
...ひどく悪辣な調子で罵つてゐる...
萩原朔太郎 「詩の翻訳について」
...そんな悪辣な期待を抱かせていた...
火野葦平 「花と龍」
...悪辣な敵につかまって...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...悪辣な山師だって事は知ってやすね...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...蓄財のためにはかなり悪辣な手段を執ることをも敢て辞さないと言ったようなところがある...
牧逸馬 「助五郎余罪」
...白痴の娘を利用しようと云う悪辣な考案が何うして続いて起らずにいるだろうか...
松永延造 「職工と微笑」
...あの悪辣な婆さんのうしろに控えていた強そうな男に...
山本周五郎 「七日七夜」
...悪辣な野郎とわかってる者を旦那とたてちゃあいけねえ...
山本周五郎 「ゆうれい貸屋」
...この残忍悪辣な工作は二人の共謀の仕事と疑えば疑えたのであるが...
夢野久作 「冥土行進曲」
...正視できないほど悪辣な猥画屋(わいがや)のトリックに依って画面の拡大されたものだった...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
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