...その証拠には自分の如く平生好んで悪辣な弁舌を弄する人間でも...
芥川龍之介 「兄貴のような心持」
...却(かえ)って悪辣なる荘子の為にさんざん油をとらるるに終る...
芥川龍之介 「北京日記抄」
...当時の学堂居士の人気は伊公の悪辣なるクーデター劇の花形役者として満都の若い血を沸かさしたもんだ...
内田魯庵 「四十年前」
...ことさら私たちの関係を誤解させるための悪辣な計略だ...
海野十三 「十八時の音楽浴」
...それにも不拘(かかわらず)私の一家は秀岡の悪辣な手にかかって破産せられ...
大庭武年 「旅客機事件」
...修行者の間には悪辣なる大羅漢だが...
中里介山 「大菩薩峠」
...悪辣な筆を運ばし...
新渡戸稲造 「ソクラテス」
...少し悪辣な生活をした人は...
野村胡堂 「笑う悪魔」
...そんな悪辣な期待を抱かせていた...
火野葦平 「花と龍」
...この男の悪辣なわなにかかって苦しんでおられる方が少なくないに相違ありません...
平林初之輔 「悪魔の聖壇」
...狡猾で悪辣な一味に後をつけられて...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...蓄財のためにはかなり悪辣な手段を執ることをも敢て辞さないと言ったようなところがある...
牧逸馬 「助五郎余罪」
...白痴の娘を利用しようと云う悪辣な考案が何うして続いて起らずにいるだろうか...
松永延造 「職工と微笑」
...数年来あらゆる悪辣な秘密手段をつかってこっそり金をためている「ヘリクレス」コンツェルンの会計係コレイコから...
宮本百合子 「音楽の民族性と諷刺」
...君の皮肉な、悪辣な、厭(いや)な性質で、人間が何を要求するかが分かるものか...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...あの悪辣な婆さんのうしろに控えていた強そうな男に...
山本周五郎 「七日七夜」
...参木はこの悪辣な専務が...
横光利一 「上海」
...悪辣な貪慾家としては有名な者だったから...
吉川英治 「三国志」
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