...――奥のかた霊前では、既に立ち去ろうとした北鳴四郎が、ばつの悪そうな、というよりも寧(むし)ろ恐怖に近い面持をして、落著(おちつ)かぬ眼(まなこ)を四囲にギロギロ移していた...
海野十三 「雷」
...人の悪そうな笑(わらい)をうかべて...
海野十三 「西湖の屍人」
...工合いの悪そうな...
太宰治 「親友交歓」
...何処の店も薄気味が悪そうなので...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...なんだか人好きの悪そうな風景画や静物画に対するごとに何よりもその作者の色彩に対する独創的な感覚と表現法によって不思議な快感を促されていた...
寺田寅彦 「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」
...呼吸器でも悪そうな風の男で...
豊島与志雄 「阿亀」
...それでもなお気味悪そうな色を浮べて...
豊島与志雄 「月明」
...きまり悪そうな微笑を浮べた...
豊島与志雄 「道化役」
...「様子が悪そうなのかい...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...わたしは恥かしい」きまりの悪そうなのも道理...
中里介山 「大菩薩峠」
...は」米友はなんとなくきまりの悪そうな笑い方をして引込みました...
中里介山 「大菩薩峠」
...けっしてそんな人の悪そうな男とも思われないので...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...極り悪そうな笑いで誤魔化しながら...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...すこし気まり悪そうな微笑で私を見つめた...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...具合の悪そうな眼つきで茶を置くとすぐに去った...
山本周五郎 「新潮記」
...きみ悪そうな眼で眺めた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...だんだん兇悪そうな支那人ばかり群れ集っている猥雑な所へ深く這入っていった...
横光利一 「静安寺の碑文」
...栄養の悪そうな細い手を黙って出すのが毎度だったそうである...
吉川英治 「美しい日本の歴史」
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