...無暗(むやみ)と賤しいとか悪いから止めろと云ふやうな事を日本でも盛んに云つてゐる...
伊藤野枝 「ウォーレン夫人とその娘」
...けれどそれはまだほんの子供の小さな頭でうそと云ふものは本当のことを云つて叱られると云ふやうな場合にたゞその叱責をのがれる為めに吐くといふ――しかもそれは子供にとつてはしかられるやうな事を仕出かしてもその仕出かした動機は自分でも正しいと得心が出来る事なのでそれを叱られないやうに嘘をつくと云ふことが別に悪いことではないと無意識に思ひ込んてしまふのだ...
伊藤野枝 「嘘言と云ふことに就いての追想」
...気味の悪いような個性がある...
太宰治 「正義と微笑」
...額がせまいから頭がこんなに悪いのだと固く信じてゐたのである...
太宰治 「津軽」
...きっと」「どうしてだろう? 無理にもはしゃいで見せなければ僕に悪いと云う風に思ったのかしら?」「それも多少はあるかも知れない...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...そういつまでも私の実家の方に世話にばっかりなってましては義理も悪いし...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...さてその悪いという実感が少しも胸にこなかった...
豊島与志雄 「裸木」
...あれは見かけほど悪い男ではない」「胡見沢(くるみざわ)の助平お代官の悪口でも言ってやりましょうか」「殺された人の悪口などはいけない...
中里介山 「大菩薩峠」
...その代り報酬はごく悪い...
夏目漱石 「おはなし」
...そして口の悪い婆さんでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...妙に落付きの悪い安価の印象をあたへる...
萩原朔太郎 「石段上りの街」
...それに就いてはいゝとも悪いとも云はなかつた...
林芙美子 「浮雲」
...悪いことというのはなりにくいものとみえます」ひょろ松が感懐めいたことを言っていると...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...きまりの悪いほど歯がカチカチと音をたてた...
久生十蘭 「キャラコさん」
...大へんに悪いことであるといふことも...
牧野信一 「香水の虹」
...匂(にお)いのあるような悪いバターを使うと味が悪くって胸に持ちます...
村井弦斎 「食道楽」
...何だか具合が悪いといって...
柳田国男 「故郷七十年」
...「空あいも悪いし...
吉川英治 「新書太閤記」
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