...大紅玉の悩める面(おもて)を...
泉鏡花 「婦系図」
...痍(きず)に悩める胸もどき...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...悩める友を見舞わんと鈴打ち鳴らして進む光景は実に絶好の画題である...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...そして今や悩める人に向っては教会に行けとか宗教書類を読めとかいうのが普通である...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...官能の悩める時は心霊の快楽を追え...
谷崎潤一郎 「The Affair of Two Watches」
...彼もまた悩める一人だつた...
種田山頭火 「其中日記」
...彼はまず貧しき者や病める者や悩める者のために費やした...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...遠く離れた静かな悩める男であって...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...わが悩める額を押当(おしあつ)る時...
永井荷風 「夜あるき」
...過去は焦躁と無為と悩める心肉との不吉な悪夢であつた...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...それはお母様のお心のうちにだけ在る私の悩める姿からなのです...
堀辰雄 「菜穂子」
...相手の胸を悩めるが...
牧野信一 「小川の流れ」
...そして小説とか芝居とかに見る「悩める主人公」に自らを見立てゝ...
牧野信一 「父の百ヶ日前後」
...裸わなる跣のくるぶしに踏みしめ悩める囚われの日々と夜の森とを忘れ友よ...
槇村浩 「青春」
...露置きてくれなゐいとど深けれどおもひ悩めるなでしこの花 (晶子)炎暑の日に源氏は東の釣殿(つりどの)へ出て涼んでいた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...私のようにあなたも不運その口もとには人知れぬ無念さがたたえられじっと耐えた涙はひとみの輝きを消し動悸する胸は痛傷を潜ませてひみつ口をつぐんで苦痛に耐えつつも秘密は私たちの悩める心の底に憩うたとえ心の中で暴れるとも揺ぎだすとも口はいつも閉めてあるウィスキーを一日一本くらいお飲みになるので心配なのだけれども...
山崎富栄 「雨の玉川心中」
...可愛相なのは迷い悩める現代の少女である...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...憐れなる悩める者も誠実な勇気と努力とをもってすればついには何者かになり得るのです...
和辻哲郎 「ある思想家の手紙」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??