...お悦といって後家(ごけ)を通した人(後に私の養母である)...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...二三日は撫でたり擦つたりして悦に入るのだが...
辰野隆 「書狼書豚」
...主人公は大満悦、たいへんな期待で包みを解いてみると――出て来たのは、色から模様から「時代」まで元品(オリジナル)とすこしも変らない皿――ではあったが、見本に送ったこわれた皿と完全に同じに、それは一枚分の新しい皿の破片で、べつに手紙がついていた...
谷譲次 「踊る地平線」
...寝テイル(モシクハ寝テイルフリヲシテイル)女体ヲ自由ニ動カシテ種々ナ姿態ヲ作ッテミルニ愉悦ヲ覚エタカラダ...
谷崎潤一郎 「鍵」
...悦ちゃんの病気はあんな風でもうほんとうに大丈夫なのだし...
谷崎潤一郎 「細雪」
...青春の悦楽をも味ふことが出来なかつた...
種田山頭火 「其中日記」
...そして恐らくはこれを最後の悦(よろこ)びごとであった...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「イオーヌィチ」
...その井戸の中へ、一生の仕事を投げ込み、幸運を投げ込み、富を投げ込み、成功を投げ込み、自由や祖国を投げ込み、安寧も、休息も、喜悦も、皆投げ込んでみよ...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...歸りの速かなのを兄は悦んだ...
長塚節 「開業醫」
...ナポレオンはたちまち四つ足を浮き立たせて恐悦し...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...変態的な愉悦(ゆえつ)にさえ駆られて...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...神のお悦びになるような心で...
宮本百合子 「いとこ同志」
...国から両親が出て参って貴嬢の御馳走を食べさせたらさぞ悦(よろこ)びましょう...
村井弦斎 「食道楽」
...収穫の悦(よろこ)びは来るべき人々の所有である...
柳宗悦 「工藝の道」
...かくして二人はいつも共に悲しみや悦びの世界に歩む...
柳宗悦 「民藝四十年」
...ひそかな愉悦であったのである...
吉川英治 「平の将門」
...「では母者人(ははじゃびと)、行って参ります」すると、妙秀尼は振り顧って、「光悦や、ちょっとお待ち」あわてて手を振って、二人の足を止め、自分は潜(くぐ)り門(もん)から外へ顔を出して、何事なのか、往来を見まわしているふうだった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...師の光悦から聞いていましたが...
吉川英治 「宮本武蔵」
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