...今の自分はただただ自分を悔い...
伊藤左千夫 「奈々子」
...が、二葉亭はかえってこれを恥じて、「あんな軽佻(けいちょう)な真似(まね)をするんじゃなかったっけ、」と悔いていた...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...さっき広珍料理店で川上機関大尉をさがしにきたわけを話したことを悔いた...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...其苗裔に至りて、先過を悔いて、社の木を抜て、家に植えて祈り祭る...
高木敏雄 「比較神話学」
...それらの一人々々が詠んだ歌の文句、淋しいうちにも何処か花やかな感じのする装束の有様、「あはれなるかな悲しひかな、かく痛ましくあらんと兼て思ひなば、見物に出でまじき物をと、千悔の声々も多かりけり、廿餘人伐(きり)かさねければ、河水も色を変じたり」と云うその日の河原が如何にきらびやかな地獄絵巻を繰りひろげたか、―――私は実は、「聞書」が伝える順慶の直話(じきわ)に依ってその光景を紙上に再現し、併(あわ)せて順慶が、弓矢を捨てたのみか琵琶をも捨てゝ、或る時は悔い、或る時は怒り、或る時は悟り、或る時は狂いつゝ、遂に一生かのおん方の幻影を盲(し)いた眼から消すことが出来ず、迷いに迷って塚守(つかもり)になったいきさつを、もっと委(くわ)しく書き記したいのであるが、それらはいずれ「聞書後抄」と題し、他日筆硯(ひっけん)を新たにして再び稿を続ける折もあるであろう...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...おのれの罪を恐れずに、罪を感じたときにも、ただ悔い改めて、けっして神に誓いをかけてはなりませぬ...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...自分の意思を父(ちゝ)に話(はな)す話(はな)さないの自由を与へたのを悔いた...
夏目漱石 「それから」
...と心の中で悔いながらも...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...少しでも悔いに耽ると云ふ事はしなかつた...
林芙美子 「暗い花」
...それにも悔いはなかった...
火野葦平 「花と龍」
...キリスト教の悔い改めが形式的で意味なきを指摘するのがこの章の目的...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...悔いを噛んで目をそらしました...
吉川英治 「江戸三国志」
...わが仁義にも程度がある」「もう一遍でいい」「その一遍で何をしたいか」「快く一戦したい」「重ねて生擒られたら」「こんどは打ち首になっても悔いない」「は...
吉川英治 「三国志」
...ほんとのところは悔いている...
吉川英治 「私本太平記」
...彼はいささかも悔いている色ではない...
吉川英治 「私本太平記」
...悔いなきまでの、全力をつくし、それでも落城のほかなければ、それまでのことよ」「ああ、籠城のお考えなら、何で昨日、あのように多くの領民を、城中へお入れなされましたか...
吉川英治 「新書太閤記」
...あとで不覚をしたと悔いられているし...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...生涯の悔いを青春に回顧しなければならないと云った...
吉川英治 「松のや露八」
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