...園は今夜の浅慮(せんりょ)を悔いるような気にもなった...
有島武郎 「星座」
...私はあらためて自分の最初の不用意な一ト言を悔いずにはいられなかった...
上田広 「指導物語」
...一身を犠牲にして悔いる色が無かった...
太宰治 「新ハムレット」
...かれはかれの後半生を仏の功徳(くどく)を讃するために用ゐることを悔いなかつた...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...それを蹂躙(じゅうりん)して悔いないほどの無法者が現われた時は...
中里介山 「大菩薩峠」
...桁(けた)の外(はず)れた道楽にまで踏み込むことを悔いない...
中里介山 「大菩薩峠」
...恋人は現身後生善悪(よしあし)も分たず知らず君をこそ頼めひたすら思ふ一人にすがりついてひとり今生のみならず来世までも頼んで悔いざる一向(ひたむき)な心を歌つたもの...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...我々は我々の最も罪のない行為をすら悔いなければならないだろう...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...悔いを百年にのこしましょうぞ」と――これは一族の小川三河守もいい...
吉川英治 「黒田如水」
...悔いも惜しみもしなかった...
吉川英治 「三国志」
...悔いは残しません」「……久子」「はい」「聞くとおりだ...
吉川英治 「私本太平記」
...「悔いはない」信長は大声で云った...
吉川英治 「新書太閤記」
...ここは悔いなき思慮を...
吉川英治 「新書太閤記」
...悔いても及ばぬことになろう)(その期(ご)になって...
吉川英治 「新書太閤記」
...しまったと思う悔いと涙とでうろたえながら...
吉川英治 「親鸞」
...戦っては悔い、勝っては悔い、八ヵ国の官民に、万歳を以て迎えられるや、いよいよ、人知れず、後悔の蝮(まむし)に、腸(はらわた)を噛みちらされていた...
吉川英治 「平の将門」
...さほどの不器用者なら失うも悔いとはせぬ)と...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...(仮借(かしゃく)はいらぬ、斬れ!)という信念があったればこそ、武蔵は断じて真っ先に斬ったのであるが――斬ってそしてこうして生きている後の彼自身は、(なぜ、斬ったか)と、そぞろに悔い、(あれまでにしないでも)と、自分の苛烈な仕方が、自分でさえ憎まれてならない...
吉川英治 「宮本武蔵」
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