...どこからともなく不意に襲って来る不安は葉子を底知れぬ悒鬱(ゆううつ)の沼に蹴落(けお)とした...
有島武郎 「或る女」
...黒い事務マントを羽織った悒鬱(ゆううつ)そうな小柄な若い男が...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...悒鬱(ゆううつ)な小柄な顔をひときわ悒鬱にした...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...この問題は屡私達を悒鬱(ゆううつ)にする...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...或る時は悒鬱(ゆううつ)に...
有島武郎 「カインの末裔」
...勃凸は珍らしく悒鬱(いふうつ)になつてゐた...
有島武郎 「骨」
...陰暦何日頃になるのか、その女性も、悒鬱で、陰惨な感じさえそく/\と身を襲ふところから、耐へがたく窓外の空にぽつかり麗はしい月でも浮び上るのを望んだことであらうと推測された...
飯田蛇笏 「薄暮の貌」
...私の妙に陰惨な悒鬱の感情は...
飯田蛇笏 「薄暮の貌」
...この艇内に青春を鋳潰(いつぶ)すと決ったことの悒鬱(ゆううつ)さで...
海野十三 「宇宙尖兵」
...悒欝(ゆううつ)になった...
海野十三 「階段」
...事件を解決するたびに経験するあの苦(に)が酸(ず)っぱい悒鬱(ゆううつ)が...
海野十三 「爬虫館事件」
...悒(いぶせ)きに忍(あ)へじ二」と思ひて...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...往年の可楽君の悒鬱(ゆううつ)...
正岡容 「我が圓朝研究」
...ふた側の垣根の暗が悒然(ゆうぜん)と覆うているかげを...
室生犀星 「後の日の童子」
...しめれる土の上に悒(いぶ)せきかげの時うつりゆくごとに西へ震へて過ぎる...
室生犀星 「忘春詩集」
...はながさいてゐる目をつむつてぼくは見てゐるはなびらは色(いろ)をうしなひあを白くうなだれて……はななれば はなのやうになぜ笑はないのだらうはながさいてゐる目をそつとつむるといつでも黙つてさいてゐる背中をむけて 向ふを向いて悒鬱な花よ 匂ひのない――花ならば 花のやうに……...
森川義信 「悒鬱な花」
...我も横穴の悒欝を思ふ...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...あのじめじめとした悒鬱(ゆううつ)な梅雨が明けはなたれ...
蘭郁二郎 「鱗粉」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??