...葉子はなんという事なく悒鬱(ゆううつ)になって古藤の手紙を巻きおさめもせず膝(ひざ)の上に置いたまま目をすえて...
有島武郎 「或る女」
...どこか病質にさえ見えた悒鬱(ゆううつ)な少年時代の君の面影はどこにあるのだろう...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...悒鬱(ゆううつ)な小柄な顔をひときわ悒鬱にした...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...見る人を不快にさせる悒鬱な表情は...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...私はよくこの苦々しい悒鬱を知っている...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...彼はほとんど悒鬱(ゆううつ)といってもいいような不愉快な気持ちに沈んで行った...
有島武郎 「親子」
...勃凸は珍らしく悒鬱(いふうつ)になつてゐた...
有島武郎 「骨」
...陰暦何日頃になるのか、その女性も、悒鬱で、陰惨な感じさえそく/\と身を襲ふところから、耐へがたく窓外の空にぽつかり麗はしい月でも浮び上るのを望んだことであらうと推測された...
飯田蛇笏 「薄暮の貌」
...女探偵(おんなたんてい)の悒鬱(ゆううつ)「離魂(りこん)の妻(つま)」事件で...
海野十三 「什器破壊業事件」
...悒欝(ゆううつ)ではない...
海野十三 「人造人間殺害事件」
...こは悒(いぶせ)きこと無きを...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...風巻(しまき)にも忘れられなすすべなく空のもと悒々たる水面が広がっている...
エドガー・A・ポオ Edger A. Poe 「ポオ異界詩集」
...だつて先生の悒鬱には何か近寄り憎い澄明さが感ぜられるのですもの...
牧野信一 「女に臆病な男」
...倍増の悒鬱に覆はれては大変だ――と私は要心したが...
牧野信一 「タンタレスの春」
...往年の可楽君の悒鬱(ゆううつ)...
正岡容 「我が圓朝研究」
...かれらしい病的な悒としい気分になるらしかった...
室生犀星 「童子」
...――笏梧朗はなにか考え込んでいたがふと悒々(ゆうゆう)した目をあげた...
室生犀星 「後の日の童子」
...眠元朗は悒悒(ゆうゆう)した眼で何か考え深(こ)んでいるらしかった...
室生犀星 「みずうみ」
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