...悉(ことごと)く片仮名ばかりの文章であり...
海野十三 「暗号の役割」
...工業も商業も悉く破壞されたやうに見える...
堺利彦訳 幸徳秋水訳 「共産黨宣言」
...悉皆(すつかり)取返(とりか)へして了(しま)ふので有(あ)つた...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六號室」
...摩耶(まや)の谷間(たにま)にほろほろと頻迦(びんが)の鳥(とり)の声きけば悉多太子(しつたたいし)も泣きたまふ...
竹久夢二 「どんたく」
...未(いま)だ悉(ことごと)く一致せざるも...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...「僕も悉しいことは知らないんだがね...
豊島与志雄 「反抗」
...それらに就て悉く話すことは到底出來ることではありませぬ...
内藤湖南 「近畿地方に於ける神社」
...あんな字は日本の国にはないでしょう」「悉曇(しったん)の文字というのが...
中里介山 「大菩薩峠」
...衣類を悉(ことごと)くり取られて竟(つい)に立って歩けなくなった方が負と判定されるようである...
中島敦 「南島譚」
...しかし今では凡(すべ)てのものが夢のように悉く消え失せていた...
夏目漱石 「道草」
...抹香臭いものは悉く追い出されました...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...故(ゆえ)に著者にとってはいやしくも正理を昧(くら)ます一切は――自分であっても他人であっても――悉(ことごと)く致命的にやっつけねば気がすまないのだ...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...外套と上着と短衣(チョッキ)と洋袴(ズボン)との衣嚢をのこらず裏返して紙屑一つあまさず所持品という所持品を悉く没収された...
平林初之輔 「犠牲者」
...敵に様子を悟られぬやうに一度は悉くの者が物蔭に身を潜めて...
牧野信一 「船の中の鼠」
...仕事即(すなはち)生活で悉く私は血眼の受験生になつてゐるのであつた...
牧野信一 「ラガド大学参観記」
...※(ねえ)さんに憶(おぼ)えて居(ゐ)たゞけを悉皆(すつかり)話(はな)しました...
レウィス、キァロル Lewis Carroll 丸山英觀訳 「愛ちやんの夢物語」
...悉(ことごと)くの顔が...
吉川英治 「大岡越前」
...征服された国土は悉く三人で均分する...
和辻哲郎 「鎖国」
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