...爾余(じよ)の作家は悉(ことごとく)有れども無きが如く見えてしまふ...
芥川龍之介 「芸術その他」
...のみならず二枚折の屏風(びょうぶ)の外に悉く余人を引き下らせ...
芥川龍之介 「点鬼簿」
...それが悉(ことごと)く芸術に浄化せられて筆を持てば...
上村松園 「今日になるまで」
...一行は悉(ことごと)く気絶して終(しま)った...
江見水蔭 「月世界跋渉記」
...我(あ)が身悉に傷(そこな)はえつ」とまをしき...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...悉(ことごと)く是れわが子なりしかもいま此処(ここ)は...
高神覚昇 「般若心経講義」
...清楚バラの如き吉本將軍令孃美彌子によつてすべての祕密は物語られ訴へられ見る人悉く泣かざるなし...
竹久夢二 「砂がき」
...今(いま)に悉(こと/″\)く磨(す)り減(へ)って...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...澎湃のヘレースポントス大波の 30岸悉く平げてまた一面の沙としつ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...悉く白色となって...
直木三十五 「南国太平記」
...ちら/\と目(め)を昏(くらま)すやうな雪(ゆき)の中(なか)に樹木(じゆもく)は悉皆(みんな)純白(じゆんぱく)な柱(はしら)を立(たて)て...
長塚節 「土」
...それを悉(ことごと)く銀色に光らせて口上を言っております...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ガラツ八の鑑定が悉(こと/″\)く當つたことを報告しました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...悉皆(しつかい)あやまりのやうに思(おも)はるれど言(い)ふて聞(き)かれぬ物(もの)ぞと諦(あきら)めればうら悲(かな)しき樣(やう)に情(なさけ)なく...
樋口一葉 「たけくらべ」
...それから厚い毛布(けっと)かフランネルを二枚に畳(たた)んでも三枚に畳んでもようございますから今の桶の上へ悉皆(すっかり)蒙(かぶ)せて氷の速く融(と)けないようにします...
村井弦斎 「食道楽」
...メフィストフェレス(穴を悉(ことごと)く揉み畢(おわ)り...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...(三)そうして悉くが合作である...
柳宗悦 「工藝の道」
...それまでに獲得された黄金や装飾品を悉くスペイン王に送ることにする...
和辻哲郎 「鎖国」
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