...苟(いやし)くも外国人にも窺はれる所は悉(ことごとく)看破するだけの気組みを持たなければなりません...
芥川龍之介 「文芸鑑賞講座」
...彼は獨佛英伊等の美學者四十餘人の美の定義を列擧して悉くこれを排斥しなければならなかつた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...日本書紀(にほんしよき)に七年夏四月乙未朔辛酉、地動、舍屋悉破、則令四方俾祭地震神とあるが、地震神(ぢしんかみ)といふ特殊(とくしゆ)の神(かみ)は知(し)られてゐない...
伊東忠太 「日本建築の發達と地震」
...岩は悉く削ったように聳(そばだ)っている...
江見水蔭 「月世界跋渉記」
...身につけたものを悉く脱ぎすてて...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...他は悉く近代建築である...
豊島与志雄 「北京・青島・村落」
...これに因(よ)ってこれを観(み)れば古来江戸名所に数えらるる地点悉(ことごと)く名ばかりの名所でない事を証するに足りる...
永井荷風 「日和下駄」
...悉(ことごと)く廻廊の体(てい)をなし...
永井荷風 「霊廟」
...又左衛門は悉(ことごと)く知っていた様子ですが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...父上市太郎樣の汚名(をめい)は何んとなさいます」「父の汚名?」「惡人共は悉(こと/″\)く細工(さいく)をしてしまひました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...日本の學者は一種の氣風を帶びて悉皆政治に熱する者なりとて...
福沢諭吉 「帝室論」
...他(た)の狼児(らうじ)は狼狽(らうばい)して悉(ことごと)く遁失(にげう)せ...
福田英子 「母となる」
...私が流浪(るらう)した土地には悉くあなたも行くのです...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...併(しか)し一手(ひとて)のものが悉(ことごと)く跡(あと)へ/\とすざるので...
森鴎外 「大塩平八郎」
...若くは悉く併呑統一して宇宙を貫き...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...悉(ことごと)くが日々の生活に必要なものばかりである...
柳宗悦 「民藝四十年」
...支那二十二朝を通じて顕れたる各種の思想は徳川氏の上半期に於て悉く日本に再現せり...
山路愛山 「頼襄を論ず」
...あたりの自然は悉(ことごと)く調子を乱してしまう...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
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