...凡ての人は悉く從來の生活の空虚を感じなければならぬ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...日本犬に似てゐる者は悉く勁勇(きやうゆう)無双(ぶさう)である...
内田魯庵 「犬物語」
...手前共仲間の大きい店へは悉く行ったそうです」と...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「鳩つかひ」
...ここを以ちて大殿破(や)れ壞(こぼ)れて、悉に雨漏れども、かつて修理(をさ)めたまはず、(ひ)一〇をもちてその漏る雨を受けて、漏らざる處に遷り避(さ)りましき...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...人家のある處を除きては悉く畑なり...
大町桂月 「沖の小島」
...従ってこの御像の写真撮影は悉く失敗に帰している...
高村光太郎 「美の日本的源泉」
...君の憤怒の故によりアカイア全軍悉く亡ぶることの無きがため...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...悉く皹(ひび)赤(あか)ぎれになる...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...或「プラグマティスト」の濫造と認むる者が眞に悉く濫造であるかは愼重の考査を要する問題であるけれども...
朝永三十郎 「懷疑思潮に付て」
...悉く切り詰めた教育で...
夏目漱石 「それから」
...悉皆(すっかり)費消し尽して悲惨なる目に遭(あ)い...
長谷川時雨 「芳川鎌子」
...悉皆(しっかい)西洋の風を慕うてこれに倣わんとせざるものなし...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...思慮清浄を求むるに不言不筆の感化力に須(ま)たざるべからざるを知悉すればなり...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...その一言一句が悉く生と死――動と静の反語ばかりで成り立っている事を並いる神々に認めさせました...
夢野久作 「鼻の表現」
...笠も兜も具足も旗も悉く黒ずくめで...
吉川英治 「上杉謙信」
...信玄以来の宿将や謀士の悉(ことごと)くが――といってよいほどな数が...
吉川英治 「新書太閤記」
...それら悉(ことごと)くが...
吉川英治 「新書太閤記」
...それは悉(ことごと)く潰乱(かいらん)の兵...
吉川英治 「新書太閤記」
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