...釣棹(つりざお)を悉皆(すっかり)纏(まと)めて...
池田輝方 「夜釣の怪」
...悉(ことごと)く家庭の趣味は変って居る...
伊藤左千夫 「家庭小言」
...車外の出来ごとは悉(ことごと)く問題の外(ほか)に置いていいのです」そう云って帆村探偵はちょっと言葉をきった...
海野十三 「省線電車の射撃手」
... 50すべて是らを地の上に彼悉く投げ棄てぬ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...決してモリアーティ教授ばかりではないと云うことは知悉していた...
コナン・ドイル 三上於莵吉訳 「空家の冒険」
...両の眼の下瞼(したまぶた)が悉(ことごと)く朱(あけ)に反(そ)りかえって...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...星氏の直参と認む可きもの少なからず是れ彼れが全く自由党員の心を失ひたる証なり彼れと進退を同うするもの恐らくは二三子のみならむ今や彼れの自由党に於ける位置は殆ど孤立なりとされど彼れに反対するものは悉く除名論者に非ず彼等は決して『星の天下』を争ふて之を他人に移さむとするものゝみに非ず多数の自由党員は...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...人をして全身の血管悉く破裂せざるかを疑はしめたりき当時某代議士は彼れが感情の満潮に達するを観て其或は気絶せんことを恐れ...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...江崎なる華園氏のもとを辭して大垣に至る松蔭は篠も芒も異草も皆悉くまむじゆさげ赤し鯰江の繩手をくれば田のくろの菽のなかにも曼珠沙華赤し十六日...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...半紙に認ためられたものは悉(ことごと)く鉛筆の走り書なので...
夏目漱石 「道草」
...草木(さうもく)國土(こくど)悉皆(しつかい)成佛(じやうぶつ)と大(おほ)きな聲(こゑ)を出(だ)して叫(さけ)んだ...
夏目漱石 「門」
...机を悉皆(すっかり)取片附けて了(しま)って...
「私の経過した学生時代」
...光線の落ちる所悉く火となった...
シモン・ニューコム 黒岩涙香訳 「暗黒星」
...悉(ことごと)く平次の縄張を除(よ)けているのも不思議です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...私は、その時促すことさへ怖るゝ心地で彼女の姿に吸はるゝやうに見返つてゐたが、そしてその時何んなことを話し、何んな風にして帰つたか、悉く忘却したが、あの瞬間の彼女の瑰麗な氷のやうな印象は今も鮮やかである...
牧野信一 「奇友往来」
...「越後勢は悉(ことごと)く...
吉川英治 「上杉謙信」
...この辺の村落は悉(ことごと)く敵に焼かれていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...それら悉(ことごと)くが...
吉川英治 「新書太閤記」
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