...心あたりの就職の道は悉く杜絶してしまつた...
有島武郎 「骨」
...かくて最後に黒雲悉(ことごと)く晴れて...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...悉(ことごと)く断わられた...
江見水蔭 「死剣と生縄」
...數十の温泉宿、悉く脚下にあり...
大町桂月 「常磐の山水」
...地球を論じた書物には悉く明記してある...
丘浅次郎 「人類の将来」
...天下ノ男子ハ悉(ことごと)ク彼女ニ悩殺サレタカモ知レナイ...
谷崎潤一郎 「鍵」
...これは相も悉皆(すっかり)崩れていたという話でね...
徳田秋声 「躯」
...豈悉く憲政黨を同化すべけむや之れを同化する能はずして唯だ一時の姑息を事とするときは...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...彼の記憶が悉(ことごと)く言葉によったためであると...
中島敦 「虎狩」
...さうして悉皆私の見たことを語つた...
長塚節 「隣室の客」
...一切の人類が悉(ことごと)く滅亡した跡に...
シモン・ニューコム 黒岩涙香訳 「暗黒星」
...十か二十か悉皆(みな)とは言はず唯二枚にて伯父が喜び伯母が笑顏...
樋口一葉 「大つごもり」
...いつの間にか駄菓子は悉く紛失してゐた...
牧野信一 「或るハイカーの記」
...私のこめる股間の力は悉く背骨に逆戻りするばかりで...
牧野信一 「夜見の巻」
...鼻の動的表現は悉く錯覚であります...
夢野久作 「鼻の表現」
...讒者(ざんしゃ)の張本ども一類を悉(ことごと)く縄してお下げ渡しねがいたい」と...
吉川英治 「私本太平記」
...『どんな不作法な見物人達も悉く鳴りを静めておとなしく彼女に見とれるのです...
渡辺温 「絵姿」
...一同悉く麓の里に降つてしまふのである...
若山牧水 「樹木とその葉」
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