...――と云ふよりも寧(むし)ろ恵まれることを潔(いさぎよ)しとしない美徳である...
芥川龍之介 「僻見」
...恵まれる時が来た...
高見順 「如何なる星の下に」
...素肌に着物をきる頃の――晩春初夏は若者の恵まれる季節だ...
竹久夢二 「砂がき」
...ぐつすりとようねむれた、享楽情調を去つて感謝気分に入るとき、安眠は恵まれる...
種田山頭火 「其中日記」
...それから恵まれることを断念して...
中里介山 「大菩薩峠」
...もとより、それは素質とも相関係しましょう」「もちろん、天の時、地の利と言いますが、江州人には、天の不祥時と地の不利益の場合に、恵まれるのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...潤沢(じゅんたく)な学費を恵まれるわけにいかず...
野村胡堂 「楽聖物語」
...『第一の場合』即ち自然死に恵まれることでしょう」「嘘だ...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...中には語学の才に恵まれるものもいる...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「ギルレイ」
...また恵まれる時も来るもので...
宮城道雄 「私の若い頃」
...あなたがたが幸福に恵まれるのを目に見ては喜びながらも...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...目こぼしの品が相当に恵まれるわけである...
柳宗悦 「京都の朝市」
...今生において捉え得る機会に恵まれるかもしれない...
柳田国男 「海上の道」
...これからどんな良縁にも恵まれることでしょう...
山本周五郎 「やぶからし」
...其(その)雑誌の中の自分の詩の部分の抄本を幾十部か恵まれるのが最も好く酬(むく)いられた物だとヌエは語つた...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...その悪性が善性となる転機に恵まれることを願いもし...
吉川英治 「親鸞」
...便りもなかった人の――天来の機縁に恵まれるものではないか...
吉川英治 「宮本武蔵」
...人生の偉大と豊饒とは畢竟心貧しき者の上に恵まれるでしょう...
和辻哲郎 「ある思想家の手紙」
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