...恰度一月下旬(すゑ)の事...
石川啄木 「菊池君」
...恰度(ちやうど)背中合せになつた埋立地の...
石川啄木 「菊池君」
...恰度師走上旬であつたが...
石川啄木 「病院の窓」
...恰度アノ隣の理髪店(とこや)の嬶が...
石川啄木 「病院の窓」
...『恰度七時半です...
石川啄木 「道」
...『恰度(ちやうど)十時半です...
石川啄木 「道」
...……恰度、あの写真の現像をする時にですね……私は、あれが道楽なんですが……赤い電気の下で、現像に夢中になっていると、不意に、直ぐ自分の横へ確かに置いた筈の赤い紙に包んだ印画紙が、どこかへ消えてしまって、すっかり面喰(めんくら)ってしまうことがよくありますね...
大阪圭吉 「銀座幽霊」
...でも――」「昨晩は?」「昨晩は一人でございましたが――」恰度この時...
大阪圭吉 「死の快走船」
...恰度(ちょうど)...
徳永直 「あまり者」
...恰度鰹節が小さくなっていましたところ...
豊島与志雄 「食慾」
...それと恰度同じようなものを...
豊島与志雄 「食慾」
...恰度その時、「見付かつたぞ、皆んな來てくれツ」床下に潜つた小僧が大きな聲を張上げました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...恰度、雨が降りしきつてゐましたが、向から赤錆びたトタンの切れつぱしを頭に被り、ぼろぼろの着物を纏つた乞食らしい男が、雨傘のかはりに翳してゐるトタンの切れから、ぬつと顔を現はしました...
原民喜 「廃墟から」
...あの建物の六階にあるんだから恰度好い...
牧野信一 「R漁場と都の酒場で」
...恰度好いところだから伴れにならうぢやないか...
牧野信一 「木枯の吹くころ」
...恰度永年の飲酒家や喫煙家が慾望を断念してゐる間のやうに...
牧野信一 「幽霊の出る宮殿」
...恰度退き潮だつたので早鞆の瀬戸は白い渦を巻いて流れてゐた...
吉田絃二郎 「八月の霧島」
...天辺まで行って、首を出した、と同時に、眼に這入ったのは、恰度真向うの、水蒸気を含んで、輝いている森の姿だった...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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