...それから雲助の息杖(いきづえ)というものがある...
寺田寅彦 「ステッキ」
...駕屋は、沈黙して、息杖を、こつこつ音立てながら、駕を横にして、ゆるゆる登りかけた...
直木三十五 「南国太平記」
...駕籠の息杖を休ませました...
中里介山 「大菩薩峠」
...息杖を取りあげて...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...息杖によりかかってひょろ松の話を聴いていたが...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...息杖を取りなおすとエッホ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...とても頼りない息杖だつた...
牧野信一 「剥製」
...息杖(いきづえ)をぽんとついて...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...お乗んなせえ」息杖を突っ張って...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...と、雪之丞の、冷厳な瞳が、闇を貫いて、広海屋の店前をみつめたとき、飛ぶように駆けつづけて来た辻かご――「ホイ! ホイ! ホイッ!」と、先棒、後棒、足が止まって、タンと立つ息杖、しずかに乗りものが、下におろされる...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...何だ? 気ちげえか――」息杖を取りなおすひまもない――キラリと...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...息杖をふりかざして...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...逍遙子はまた世の批評家が二千餘年前に死せし人の肋骨(ろくこつ)を息杖にして...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...棒や息杖をふるって...
山本周五郎 「雪の上の霜」
...「どうか待って下さい、勘弁して下さい」伊兵衛は哀訴した、「――このとおりです、頼みます、どうかそんな、あっ、ごめんなさい」棒を奪い、息杖を奪った...
山本周五郎 「雪の上の霜」
...洒落たまねをッ――」続いて唸り込んだ三本の息杖...
吉川英治 「剣難女難」
...息杖(いきづえ)をそろえて待ちかまえている...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...棒だの、息杖だの、竹槍だの、小石だの、わあっと、旋風(つむじ)になって、草埃(くさほこ)りを巻きあげた...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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