...況(いわ)んや息女たちの身の上については...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...都市を防護する勇士の生める息女あり...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...主殿頭総安(ふさやす)の息女で...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...奥方は時の老中酒井左衛門尉の息女...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...息女浪路のうしろに控えた...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...雪之丞どの、御息女さまは、ようくおたのみいたしましたぞ」そう、いい捨てると、そのまま姿を消してしまった...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...「御息女さまに、こうしてたった一夜でもお目にかかって、このまま一生、お召しもうけなかったら、わたくしは一たいどうしたらよろしいのでござりましょう」「何といやる――このまま、もうあわずなる――そのようなことがありましたら、このわたしこそ、とても生きてはおられませぬ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...今更、何をためらうのか! どこまでもどこまでも、鬼になり、悪魔とならねばならぬ――そう、胸の中に、おのれを叱って、「御息女さま、それならば、これからのわたくしは、いつもいつも、あなたさまが、見守ってくだされているつもりで暮しまする...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...「お、お、多少、存じ寄っている奴で――あやつ、本体を、御存知あるまいが、なかなか油断のならぬ食わせもの――」「まあ、そこまでは、存じませぬが――一たい食わせものと申して、どのような――」お初が、訊き返すと、平馬は、薄手の唇を、ビリビリと憤(おこ)りっぽく痙攣(けいれん)させて、「あやつは、ばけ物でござる――何を考え、何を致そうとしているか、是非に見抜いてやらねばならぬ奴じゃ」一五「お初どのとやら、そなたは、一時、あの河原者の容色に、迷われたとかいうことだが、女子(おなご)の身で、あやつのような化性(けしょう)のものに近づけば、いずれ、魂を蕩(とろか)され、生き血を吸われ、碌(ろく)なことはあろうはずがない――」と、平馬は、憎々しげに、雪之丞を罵倒(ばとう)しつづけて、「現に、あやつのお蔭で、御大家の、秘蔵の息女まで、とんだ身の上になられ、いやもう、大騒動が出来(しゅったい)いたしたる位だ」「え? あの雪之丞のために、いず方さまの御息女が、そんな目にお逢いなされたと申すのでござりますか?」お初は、耳をそばだてる...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...妻として」「あいにく、この春以来、末の息女が、風邪とも、麻疹(はしか)ともつかぬ御病気...
吉川英治 「大岡越前」
...恩師の御息女におわびすることも能(かの)うた...
吉川英治 「篝火の女」
...古塔の下であの折の老僧にひき合わされた鴻家(こうけ)の息女...
吉川英治 「三国志」
...なによりもまず彼の求むるままにご息女をかの地へ送ってやることです...
吉川英治 「三国志」
...「もし、ご息女……...
吉川英治 「私本太平記」
...身寄りの御息女でもあるのですか」「よく...
吉川英治 「新書太閤記」
...秀吉に託(たく)してきたあのときの可憐(かれん)な息女三名のことである...
吉川英治 「新書太閤記」
...清盛の息女たちも手伝っていたろうとこの道の研究家はいっている...
吉川英治 「随筆 新平家」
...ご息女の花世どのも...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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