...ちょうど七十二になる彼の父はそこにかかるとさすがに息切れがしたとみえて...
有島武郎 「親子」
...「最後の億万長者」の場合は思想のない諷刺のために息切れがしているのである...
伊丹万作 「ルネ・クレール私見」
...息切れがして胸がはじけ相だった...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...肩あげのついた肩に息切れを打たせながら父の手紙をさしだした...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...不思議に默つて同じ樣に一つ一つセツセと羽を動かして黒い列をつくつて靜かに音も立てずに横切つてゆく側へ行つたら翅の音が騷がしいのだらう息切れがして疲れて居るのもあるのだらう...
千家元麿 「自分は見た」
...だが乞食は息切れがしているので返事が出来ない...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「乞食」
...息切れがするので声を長く引くことも出来なかったので...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...息切れがして、手足にまるで力がなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...深雪は(姉上の仇敵)と、すぐ、叫ぼうとしたが、息切れがして、叫べなかった...
直木三十五 「南国太平記」
...息切れのする苦しさに石垣の下なる杭(くい)につかまり身を這(は)わせるようにして掌(てのひら)に夜の流を掬上(くみあ)げようとすると...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...その時は息切れが甚(しど)いくらいでわからなかったが...
長谷川時雨 「渡りきらぬ橋」
...息切れがいたして...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...ついに停ったらしい三頭立(トロイカ)の癇の立った馬の荒い鼻嵐と重苦しい息切れが部屋の中まで響いて来たのである...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...彼女は息切れも大ぶ鎮まって来たので...
堀辰雄 「菜穂子」
...そこで息切れした...
宮本百合子 「現代文学の広場」
...そして烈しい息切れがした...
室生犀星 「みずうみ」
...そんなに息切れもしないうちに...
夢野久作 「少女地獄」
...息切れが聞えるのである...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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