...ほっと一息つく事が出来ました...
芥川龍之介 「運」
...彼女はほとんど失神せんばかりになっていっそう激しく廻していたが、腰や腿が痛むばかりではなく、二つの臂の力もなえて来たので、知らず知らず身を縮め、頭を高い山にもたせ、緑したたる黒髪を山の頂に載せ、一息つくと、両眼を閉じた...
魯迅 井上紅梅訳 「不周山」
...やっと一息つく暇を見出した...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...暗号器から一枚の紙をぬきだしてほっと一息つくと...
海野十三 「怪星ガン」
...十間許り下の方の、一つの棒杭に漸く取付きて、一と息つく...
大町桂月 「多摩川冒險記」
...それは今雇われているアマ達の前にいた人達の時分のこと、―――そのアマ達は、幸子などが見れば骨身を惜しまずによく働く寔(まこと)に忠実な人々であったが、でも彼女達にして見ると、夫人の人使いが余り激しいのが、かねてから不満だったのであろう、うちの奥様は自分が先に立って、一分の時間も無駄(むだ)にしないように段取りを附けて用をなさるので、私達も一つの仕事を済ませると直(す)ぐ次の仕事へと追い立てられる、私達は日本人の家庭に雇われるよりは沢山お給金も貰(もら)っているし、家事についていろいろ為めになることも教えて貰うが、何しろ一日じゅう、息つく暇がない、全くうちの奥さんは主婦としては偉い奥さんで敬服させられてしまうけれども、使われる身になっては遣(や)り切れない、と、そう云い云いしたものであった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...自然は休戦の息つく間も与えて呉れぬ...
徳冨蘆花 「草とり」
...その二人が、一息つくまに、走りだしました...
豊島与志雄 「水甕」
...五平次は明神下の家へ引揚げて、ひと息つくと、間もなく八五郎がやつて來ました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...五平次は明神下の家へ引揚げて、ひと息つくと、まもなく八五郎がやって来ました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...息つく暇もありゃしない...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...一息つくとそのまゝ向ひ側に降りて行つたので...
牧野信一 「南風譜」
......
室生犀星 「抒情小曲集」
...休む暇も息つく暇もない...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...ほっと一息つくと...
吉川英治 「三国志」
...「敵か」と、趙雲は、息つく間もなく、ふたたび疲れた馬に鞭(むち)うって奔(はし)った...
吉川英治 「三国志」
...敵に息つく間も与えないほど...
吉川英治 「新書太閤記」
...――だが、足を止めて、一息つくとすぐ、なにかしら後ろで自分を呼ぶものがあった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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