...或は塔の九輪(くりん)の上に手を拍(う)つて踊り...
芥川龍之介 「悪魔」
...そのまた塔の霞の中に九輪(くりん)だけ光らせているところは与謝野晶子(よさのあきこ)でも歌いそうなのよ...
芥川龍之介 「文放古」
...宝暦年間の隠密帳……家の前には九輪草が咲いて風は涼しかった...
石川欣一 「山を思う」
...樅の森、牧場の草地、大きな九輪草、白壁に聖書の中のエピソードを画いた農家、皮の半ズボンを刺繍したズボンつりでつった男、緑と赤と白のこまかい模様の衣服を身につけた健康そうなチロル娘――山の向うはオーストリアだといっていたが、あの国境線も現在では無くなって了った...
石川欣一 「山を思う」
...それにひきかへ九輪草(くりんさう)...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...日は今終(つひ)の目移しを九輪の塔に見はるけて...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...日(ひ)は今(いま)終(つひ)の目(め)移(うつ)しを九輪(くりん)の塔(たふ)に見(み)はるけて...
薄田淳介 「白羊宮」
...露盤の処から九輪の処に首を突出す事が出来るといふ事は曾て聞いた事もあつた...
高浜虚子 「斑鳩物語」
...十月下旬まで蝉が鳴きやまず、十一月に筍が出そめ、九輪草、唐葵などは、四度も五度も花をつけた...
久生十蘭 「ボニン島物語」
...」(江戸大地震末代噺の種)五重塔の九輪の曲がったことは事実だが...
武者金吉 「地震なまず」
...浅草寺の塔は九輪が傾(かたぶ)いた...
森鴎外 「渋江抽斎」
...塔の九輪の上には鳩がとまつてゐた...
横光利一 「草の中」
...九輪(りん)の根(ね)もとに身をかがめてしまったので...
吉川英治 「神州天馬侠」
...そこから九輪(りん)のたっている塔(とう)のてっぺんへのぼるには...
吉川英治 「神州天馬侠」
...三重(じゅう)の屋根瓦(やねがわら)から塔(とう)の九輪(りん)のまっ先へ...
吉川英治 「神州天馬侠」
...鷲は見るまに九輪(りん)をかすった...
吉川英治 「神州天馬侠」
...九輪の根もとからはらいあげた戒刀(かいとう)の切(き)ッ先も敵のからだにまでとどかなかった...
吉川英治 「神州天馬侠」
...九輪草(りんそう)の多い下り道を...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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