...人間らしい享樂と悲哀と恩愛と憂慮との間に活きて行く Natrlichkeit にひかされる心がある...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...さすが恩愛の故郷(ふるさと)のかたぞ恋しき...
泉鏡花 「歌行燈」
...恩愛に曳(ひ)かれて動くのが...
泉鏡花 「婦系図」
...悪業成就(じょうじゅ)の為には恩愛の情なぞを顧る暇(いとま)はないであろう...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...慈悲と恩愛に燃ゆる怒の焔(ほのほ)に滿面朱(しゆ)を濺げるが如く...
高山樗牛 「瀧口入道」
...夢は悪夢だつた、恩愛の夢、執着の夢だつた、それは断ちがたい人間の絆であり軛であつた、人間としてあたりまへのものであつたけれど、私としては――かふいふ生活にはいりこんだ現在の私としては捨てなければならない夢だつた...
種田山頭火 「行乞記」
...汝ら斯くも憧憬の地なる祖先の恩愛の宿をめざして去らんとや? 175汝らかくてプリアモス又トロイアに戰勝の譽並にアルゴスのヘレネー棄つや? 彼のため...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...そこに恩愛の妻と子を殘して我はこゝに來ぬ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...彼を運びて恩愛の妻と父母との喜びに故郷に歸り去らしめず...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...その城壁と恩愛の妻と幼き小兒らを...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...しかして彼の恩愛の父も悲痛の聲放ち...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...いわんや恩愛の情...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...熊に対して特別な恩愛を施してやったという陰徳のほども更に心当りがないのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...恨(うらみ)背(そむ)き恩愛を捨る事易し...
福沢諭吉 「女大学評論」
...恩愛厚き父母の膝下(しっか)を離れんとする苦しさは...
福田英子 「妾の半生涯」
...過去の私は恩愛の念から離れることができず...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...あなたから数多くお受けになったこの上なく大きな恩愛をお認めになることが今はまだおできになりません故...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...あらゆる恩愛(おんあい)や争闘(そうとう)の修羅界(しゅらかい)を...
吉川英治 「神州天馬侠」
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