...青紫に列るの横暴を恣にせる平氏の中心的人物としての入道相国を見たり...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...したくないことをしないのは「己れ」を恣にすることであつて...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...死にまでその恣(ほしいま)まな姿を変えない人もある...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...恣(ほしいまま)な解釈を加えたりして...
津田左右吉 「建国の事情と万世一系の思想」
...ことさらに作ッた偃蹇恣雎(えんけんしき)...
イワン・ツルゲーネフ Ivan Turgenev 二葉亭四迷訳 「あいびき」
...裏十二の中に月と花が一つずつあってこの一楽章に複雑な美しさを与える一方ではまたあまりに放恣(ほうし)な運動をしないような規律を制定している...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...右左から恣(ほしいまま)に公道を侵(おか)した雑草や雑木の枝を...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...弾者の荒怠暴恣(こうたいぼうし)の心状をこれほど明らかに映し出したものはない...
中島敦 「弟子」
...――放恣で大胆な若者は黒馬(あを)に跨がり...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...気の毒なるは主人公の身持不行儀にして婬行を恣にし...
福沢諭吉 「女大学評論」
...政府の権を犯して恣(ほしいまま)に人を殺し...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...社会の陰処(いんしょ)に独り醜を恣(ほしいまま)にするにあらざれば同類一場の交際を開き...
福沢諭吉 「日本男子論」
...だから理性は感情を恣まに募らせて...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...また古インドに自撰(スワヤムヴヤラ)とて多くの貴公子を集め饗応した後王女をしてその間を歩かせ、自分の好いた男に華鬘(けまん)や水を授けて夫と定めしめた、『ラマヤナム』にミチラ王ジャナカ婿を定めんとて諸王子を招き競技せしめた時、ラマ強弓を彎(ひ)いたので王の娘シタがこれを夫と撰定したとある、仏悉達太子と言った時瞿多弥釈女が自撰の場へ行くと、釈女五百の釈種童子を嫌うて太子を撰んで夫とした、仏最初得道の時優陀夷その因縁を問いしに仏答えていわく、昔雪山下に雑類無量無辺の諸獣ありて馳遊す、かの獣中に一つの牝虎あり端正無双諸獣中に比類するものなし、諸獣その夫たらんと望む、相いいて曰く汝ら且(しばら)く待て共に相争うなかれ、かの牝虎の自選を聴(ゆる)せと、時に一牛王あり牝虎に向いて偈(げ)を説く、〈世人皆我の糞を取り持ち用いて地に塗りて清浄と為す、この故に端正なること※虎に賢(まさ)れり、まさに我を取りて以て夫と為すべし〉、牝虎答うらく〈汝項斛領甚だ高大、ただ車を駕しおよび犁(すき)を挽くに堪えたり、いかんぞこの醜き身形をもてたちまち我がために夫主とならんと欲するや〉、また一大白象あり牝虎に向いて偈を説く、〈我はこれ雪山の大象王なり、戦闘我を用いて勝たざるなし、我既にこの大威力あり、汝今何ぞ我が妻とならざるや〉、押しの強い言いぶりだ、牝虎偈を以て答えていわく〈汝もし師子王を見聞せば、胆(おそ)れ驚怖し馳奔走し、屎尿を遺失して虎籍し去らん、いかんぞ我が夫たるを得るに堪えんや〉、爾時(そのとき)かの中に一師子あり諸獣の王なり、牝虎に向いて偈を説いていわく、〈汝今我が形容を観よ、前分闊大に後繊細なり、山中に在りて、自ら恣活し、また能く余の衆生を存恤す、我はこれ一切諸獣の王なり、更に能く我に勝つ者あることなし、もし我を見および声を聞くことあれば、諸獣悉皆(ことごとく)奔(はし)りて住(とどま)らず、我今かくのごとく力猛壮、威神甚だ大にして論ずべからず、この故に賢虎汝まさに知るべし、すなわち夫のために婦となるべきを〉、時にかの牝虎師子に向って答うらく〈大力勇猛および威神、身体形容ことごとく端正、かくのごとく我れ今夫を得已(おわ)れり、必ずまさに頂戴して奉承すべし〉、かくて師子が虎の夫と定まった、かの時の師子は我が先身、牝虎は今の瞿多弥女、他の諸獣は今の五百釈童子瞿多弥の肱鉄を受けた奴輩だと仏が説かれた...
南方熊楠 「十二支考」
...恣(ほしいまま)に羽根を伸したり...
夢野久作 「能とは何か」
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吉川英治 「私本太平記」
...治安ノ警吏ニテ有リナガラ大酒乱酔ヲ恣(ホシイママ)ニシ劇場ヲ騒ガセ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...その放恣な矢を石牢の中へまで放ったのは...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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