...私の小我は猶愚かなる跳梁を恣にしてゐることを感ずる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...俺は又テマに囘顧して餘りに放恣なる開展を抑へる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...あれは恣意(しい)ではなく...
梅崎春生 「幻化」
...諸司衞府を合せて門下郎黨の大官榮職を恣(ほしいまゝ)にするもの其の數を知らず...
高山樗牛 「瀧口入道」
...かえって胸臆(きょうおく)を恣(ほしいまま)にし...
田中貢太郎 「続黄梁」
...他人の言論の自由を不法に抑圧し行動を束縛し暴戻専恣の行動をたくましくし...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...恣意が独創の外貌をつけはじむる時...
中井正一 「物理的集団的性格」
...勝利者の恣意によって敗者側を裁くことが...
平光吾一 「戦争医学の汚辱にふれて」
...己が自恣に挙動(たちふるま)う※欺(あざむ)いたり...
二葉亭四迷 「浮雲」
...唐人數多渡りて家居を設けて漁獵を恣す...
松浦武四郎 「他計甚※[#「麾」の「毛」に代えて「公の右上の欠けたもの」、第4水準2-94-57](竹島)雜誌」
...また古インドに自撰(スワヤムヴヤラ)とて多くの貴公子を集め饗応した後王女をしてその間を歩かせ、自分の好いた男に華鬘(けまん)や水を授けて夫と定めしめた、『ラマヤナム』にミチラ王ジャナカ婿を定めんとて諸王子を招き競技せしめた時、ラマ強弓を彎(ひ)いたので王の娘シタがこれを夫と撰定したとある、仏悉達太子と言った時瞿多弥釈女が自撰の場へ行くと、釈女五百の釈種童子を嫌うて太子を撰んで夫とした、仏最初得道の時優陀夷その因縁を問いしに仏答えていわく、昔雪山下に雑類無量無辺の諸獣ありて馳遊す、かの獣中に一つの牝虎あり端正無双諸獣中に比類するものなし、諸獣その夫たらんと望む、相いいて曰く汝ら且(しばら)く待て共に相争うなかれ、かの牝虎の自選を聴(ゆる)せと、時に一牛王あり牝虎に向いて偈(げ)を説く、〈世人皆我の糞を取り持ち用いて地に塗りて清浄と為す、この故に端正なること※虎に賢(まさ)れり、まさに我を取りて以て夫と為すべし〉、牝虎答うらく〈汝項斛領甚だ高大、ただ車を駕しおよび犁(すき)を挽くに堪えたり、いかんぞこの醜き身形をもてたちまち我がために夫主とならんと欲するや〉、また一大白象あり牝虎に向いて偈を説く、〈我はこれ雪山の大象王なり、戦闘我を用いて勝たざるなし、我既にこの大威力あり、汝今何ぞ我が妻とならざるや〉、押しの強い言いぶりだ、牝虎偈を以て答えていわく〈汝もし師子王を見聞せば、胆(おそ)れ驚怖し馳奔走し、屎尿を遺失して虎籍し去らん、いかんぞ我が夫たるを得るに堪えんや〉、爾時(そのとき)かの中に一師子あり諸獣の王なり、牝虎に向いて偈を説いていわく、〈汝今我が形容を観よ、前分闊大に後繊細なり、山中に在りて、自ら恣活し、また能く余の衆生を存恤す、我はこれ一切諸獣の王なり、更に能く我に勝つ者あることなし、もし我を見および声を聞くことあれば、諸獣悉皆(ことごとく)奔(はし)りて住(とどま)らず、我今かくのごとく力猛壮、威神甚だ大にして論ずべからず、この故に賢虎汝まさに知るべし、すなわち夫のために婦となるべきを〉、時にかの牝虎師子に向って答うらく〈大力勇猛および威神、身体形容ことごとく端正、かくのごとく我れ今夫を得已(おわ)れり、必ずまさに頂戴して奉承すべし〉、かくて師子が虎の夫と定まった、かの時の師子は我が先身、牝虎は今の瞿多弥女、他の諸獣は今の五百釈童子瞿多弥の肱鉄を受けた奴輩だと仏が説かれた...
南方熊楠 「十二支考」
...甘果恣(ほしいまま)に口にすと聞いたが今日始めて見る...
南方熊楠 「十二支考」
...それにあの時は己の意図が先(ま)づ恣(ほしいまゝ)に動いて...
森鴎外 「大塩平八郎」
...(五二)暴戻恣(ばうれいしき)...
箭内亙訳註 「國譯史記列傳」
...利得ヲ恣(ほしいまま)ニセシ形跡アリ...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...人いちばい権(けん)をふるったり意慾を恣(ほしいまま)にしたけれど...
吉川英治 「宮本武蔵」
...恣意的であってはならない...
デイヴィド・リカアドウ David Ricardo 吉田秀夫訳 「経済学及び課税の諸原理」
...騎士は恣にその城壁から出て通りすがりの旅人を掠奪する...
和辻哲郎 「鎖国」
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