...癪(しゃく)に障ればったって、恐い事、何あるものか、君の母親(おふくろ)が何だ?」と云いかけて、語気をかえ、「そう云っちまえば、実も蓋(ふた)もない...
泉鏡花 「婦系図」
...「車海老やったら恐いことないけど...
谷崎潤一郎 「細雪」
...墓地は外から見ると恐いけれど...
豊島与志雄 「月明」
...いつも落凹んだ恐い眼付だったが...
豊島与志雄 「黒点」
...――叔父さんが恐い顔をして一日黙っていた...
豊島与志雄 「反抗」
...恐い目で睥みなすったの...
豊島与志雄 「古井戸」
...恐いじゃありませんか...
永井荷風 「狐」
...この儘過ぎて行く事が恐い‥‥元気でゐて下さい...
林芙美子 「「リラ」の女達」
...このふたつは精霊船よりも恐い...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...うちなにやら年をとるのが恐いんよ...
北條民雄 「鬼神」
...私は恐いものなしでございます...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...これからあんな恐いとこへ行かないでいて頂戴...
室生犀星 「幼年時代」
...殺してしまえ』と云いつけました」「まあ恐いこと」「けれどもそのために国中の人々は一人も嘘をつかなくなったばかりでなく...
夢野久作 「オシャベリ姫」
...がちゃんとぶつかるときは恐いわね...
横光利一 「旅愁」
...恐い所の「悪所(あくしょ)」と呼びなされていたものだが...
吉川英治 「紅梅の客」
...恐いような魅力に恍惚となっている自分にはっと気がついた...
吉川英治 「平の将門」
...その恐い気持のうちには...
吉川英治 「宮本武蔵」
...「野火止(のびどめ)の宿(しゅく)で」と、伊織は答え、「――あの、恐いおばばも、一緒にいましたよ」「おばばとは、本位田家のあの年よりか」「豊前(ぶぜん)へ行くんだって」「ほ……?」「細川家のお侍たちと一緒でね……詳しいことはその中に書いてあるでしょう...
吉川英治 「宮本武蔵」
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