...この急峻な山道では一方(ひとかた)ならぬ苦痛を覚えた...
大下藤次郎 「白峰の麓」
...急峻な斜面の上方に...
豊島与志雄 「自由人」
...砂地に岩塊をちりばめた急峻な斜面のみが...
豊島与志雄 「高千穂に思う」
...左を仰いで見ると鬱蒼たる山の巓は頭に掩ひかぶさつた樣で其急峻な山の脚は恰かも物蔭から大手を開いて現はれた人が奔馬をばつたり喰ひ止めた樣に此小徑で切斷されて居る...
長塚節 「鉛筆日抄」
...風をなみ友よぶ牛の聲遠く稀に聞ゆるしぶのやまごえ之を久うして忽ちに路を急峻なる山腹に向ひて走る...
長塚節 「草津行」
...此処彼処(ここかしこ)に往々急峻なる地隙...
新渡戸稲造 「武士道の山」
...まったく、トグロを捲いていた、と言っても、非常に失礼に当るとは思われないような、急峻な、恐らく千尺もあろう山の真下に建っていた...
葉山嘉樹 「山谿に生くる人々」
...大山が、急峻な道を上り、半出来の線路丁場に頭だけ出した時だった...
葉山嘉樹 「山谿に生くる人々」
...だから、山羊でも犬でも駆け下りないような、急峻なところを、大山は一気に飛び下りたのであった...
葉山嘉樹 「山谿に生くる人々」
...この茶屋の脇から下栗への急峻な里道が分岐している...
松濤明 「春の遠山入り」
...左へ急峻な崖道を下ると琵琶の滝...
山本笑月 「明治世相百話」
...更にその裏山の急峻な熊笹の中を飛騨路へ降りて再び高山の町から平湯温泉へ...
吉江喬松 「山岳美觀」
...などの巨樹の繁茂してゐる急峻な山の中腹に向つて架けられてあるのだ...
吉江喬松 「山岳美觀」
...一面急峻な偃松帶の中へはいる...
吉江喬松 「山岳美觀」
...前も後も急峻な樹木の山...
吉江喬松 「山岳美觀」
...急峻な裏山などは夢のやうになつてしまふ...
吉江喬松 「山岳美觀」
...山の六七合目から上は急峻な山嶽の形をなしてゐるが...
若山牧水 「樹木とその葉」
...急峻な山の斜面である...
和辻哲郎 「樹の根」
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