...彼は自分では気がつかないが、怠け者のせいか、それともまた役に立たないせいか、とにかく運動を肯(がえん)じないで、分に安じ己(おのれ)を守る人らしく見えた...
魯迅 井上紅梅訳 「端午節」
...自己が怠けてはこの権利を得ることが出来ない...
大隈重信 「始業式訓示」
...人生の変化とよろこびとをつかいつくしてしまったと考える退屈と倦怠そのものはうたがいもなくアダム以来の古いものである...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...パンドラの箱の中には、疾病、恐怖、怨恨、哀愁、疑惑、嫉妬、憤怒、憎惡、呪咀、焦慮、後悔、卑屈、貪慾、虚僞、怠惰、暴行などのあらゆる不吉の妖魔がはひつてゐて、パンドラがその箱をそつとあけると同時に、羽蟻の大群の如く一齊に飛び出し、この世の隅から隅まで殘るくまなくはびこるに到つたといふ事になつてゐるが、しかし、呆然たるパンドラが、うなだれて、そのからつぽの箱の底を眺めた時、その底の闇に一點の星のやうに輝いてゐる小さな寶石を見つけたといふではないか...
太宰治 「お伽草紙」
...君の怠惰を巧みに理窟附けて...
太宰治 「風の便り」
...アカイア人怱々の際此式を怠る...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...倦怠(けんたい)を感じてる憐(あわ)れな女にすぎなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...これを見逃すことは単に自己の怠慢にとどまらず...
永井隆 「長崎の鐘」
...惓怠(だる)さうな手から...
夏目漱石 「それから」
...怠けて動かなくなると...
久生十蘭 「新西遊記」
...毎日怠らず出勤する...
二葉亭四迷 「浮雲」
...相変らず酷い怠けものだね...
牧野信一 「夏ちかきころ」
...さまで倦怠を感じてゐるわけでもなく...
牧野信一 「貧しき日録」
...捨鉢になつて怠けて居る事もあつた...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...すこしも怠けることなく衣裳をとりかえさせたのであった...
室生犀星 「玉章」
...甘い倦怠が快く全身を擽(くすぐ)っている...
山本周五郎 「青べか日記」
...それに比すものは自分以外の誰がいよう」不断の修養を怠らなかった...
吉川英治 「三国志」
...この頃はもう怠けてはおりません...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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