...平和は倦怠を伴ふとすれば...
芥川龍之介 「河童」
...その後に襲って来る唾棄(だき)すべき倦怠(けんたい)ばかりだった...
有島武郎 「或る女」
...怠(なま)けてはいけないね...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...パンドラの箱の中には、疾病、恐怖、怨恨、哀愁、疑惑、嫉妬、憤怒、憎惡、呪咀、焦慮、後悔、卑屈、貪慾、虚僞、怠惰、暴行などのあらゆる不吉の妖魔がはひつてゐて、パンドラがその箱をそつとあけると同時に、羽蟻の大群の如く一齊に飛び出し、この世の隅から隅まで殘るくまなくはびこるに到つたといふ事になつてゐるが、しかし、呆然たるパンドラが、うなだれて、そのからつぽの箱の底を眺めた時、その底の闇に一點の星のやうに輝いてゐる小さな寶石を見つけたといふではないか...
太宰治 「お伽草紙」
...人民に命じて怠らず大船の建造をさせていました...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...警護を怠らないということもありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...二十八武蔵国の御家人、津戸三郎為守(つのとのさぶろうためもり)は、生年十八歳の時、治承四年八月に頼朝石橋山の合戦の時、武蔵の国から走(は)せまいり、安房(あわ)の国へも従い、その後所々の合戦に名を挙げたが、建久六年二月、東大寺供養の為に頼朝が上洛の時、為守は、三十三歳でお伴をして行ったが、三月四日に京都に着き、その月の二十一日に法然の庵堂へ参って、合戦度々の罪を懺悔(さんげ)し、念仏往生の道を聴いてから法然の信者となり、本国に下ってからも念仏の行、怠りなかったが、或人が、「熊谷入道や、津戸三郎は無学無智の坂東の荒武者で、他の学問や修行を教えたって仕方がないと見たから、そこで法然様が念仏ばかりでいいと仰言(おっしゃ)ったのだ...
中里介山 「法然行伝」
...白人官吏が自ら納税を怠っている時でも...
中島敦 「光と風と夢」
...既に酩酊状態のウージェーヌとゴリオ爺さんの監視も怠らなかった...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...あまりにも緩怠至極(かんたいしごく)な阿古十郎の態度に庄兵衛は呆れたり腹を立てたりしているが...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...回向怠ること無いであろう...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...たしかに自分の道を怠らずゆくことというのは...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...この世には實は怠け者といふものは一人もゐないのだ...
三好達治 「霾」
...それは砂中に黄金を捜す倦怠(けんたい)な仕事とさしたる変りはない...
柳宗悦 「地方の民藝」
...而して其晩年の著述たる政記を完成せんことを欲して死する迄眼鏡を着けて潤刪(じゆんさん)に怠らざりき...
山路愛山 「頼襄を論ず」
...倦怠や郷愁やまた怯気(きょうき)などという果てしない迷いは...
吉川英治 「上杉謙信」
...なぜ怠けるッ」杖をふるって...
吉川英治 「新書太閤記」
...多少怠ってはいた...
吉川英治 「柳生月影抄」
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