...思いも寄らないきっかけにふと胸を引き締めて巻き起こって来る不思議な情緒...
有島武郎 「或る女」
...何らかの考察をしてみるというようなこともなければまたこの地球の過去の状態がおよそいかなるものであったかということについて何らかの概念をもつということすら思いも寄らないのである...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...いずれも/\色こそ変れ思いも寄らないはずみから道心を催すのです...
谷崎潤一郎 「三人法師」
...此の推定は河内介の感情を全く思いも寄らない方へ誘って行った...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...どんな思いも寄らない重大な意義をもち...
寺田寅彦 「重兵衛さんの一家」
...何か思いも寄らないことをして...
豊島与志雄 「復讐」
...思いも寄らない時にくたばるなんてことがあるものか...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...門には思いも寄らない下宿屋の看板が懸(かか)っていた...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...思いも寄らない私は断るのです...
夏目漱石 「行人」
...この余裕ある私の学生生活が私を思いも寄らない境遇に陥(おと)し入れたのです...
夏目漱石 「こころ」
...思いも寄らない本郷へ行けと命じた事を記憶していた...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...思いも寄らない階子段(はしごだん)を降りたりして...
夏目漱石 「明暗」
...とても一生のうちにそれを実行する事は思いも寄らない...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...それで一家を支えるなどは思いも寄らない事であった...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...座敷牢なぞ思いも寄らない...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...醜怪な構造物のどれかに入ろうともせずにこの高地を立ち去るなど到底思いも寄らないことだった...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...私の足跡を再度辿るなど到底思いも寄らない...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「時間からの影」
...この念仏宗の立場に立てば、弥陀仏の前での人の平等の上に、さらに価値の段階を持ち来たすごときことは、思いも寄らない...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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