...餘つた血潮は怖れをなして飛び退いた無數の鱗雲を...
有島武郎 「潮霧」
...この言葉はおぬいさんを(もし彼女があたり前の事を知った女なら)怖れさすに十分だと同時に...
有島武郎 「星座」
...それを怖れてのことかもしれなかった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...云い知れぬ怖れと寒けを覚えたものである...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...新進の作者らには怖れられ...
坪内逍遙 「斎藤緑雨と内田不知菴」
...ジャズが一般の怖れをもってせられる罵倒の中に...
中井正一 「探偵小説の芸術性」
...あまりに白かったのに怖れたようでありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...身ぶるいするほどに怖れと嫌気とを催して...
中里介山 「大菩薩峠」
...来ることを怖れようともしていないのが...
中里介山 「大菩薩峠」
...私は自分の肚を見透されたのぢやないかしらと思つて酷く怖れた...
牧野信一 「鞭撻」
...一つの猿が怖れ、痛み、もしくは憂いて号(さけ)ぶ時は一同走り往きてこれを抱え慰めたと...
南方熊楠 「十二支考」
...われ等を怖れしめ...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...昼間だと男の部屋へ来るのも何んの怖れもないくせに...
横光利一 「旅愁」
...かなわぬ敵と怖れて...
吉川英治 「三国志」
...我輩が孔明を怖れたことは確かだ...
吉川英治 「三国志」
...身を縮めて怖れた...
吉川英治 「新書太閤記」
...弦之丞は悩ましい肉感に怖れた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...坐れ」「自分の身を怖れて起つのではありません...
吉川英治 「旗岡巡査」
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