...はやくも怖れをなしてどこかへ逃げだしたのか...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...その嘘は事件が紛糾するのを怖れて口にした迄のものです...
大庭武年 「旅客機事件」
...私は少しも怖れていない...
太宰治 「駈込み訴え」
...その音の消えたのを深い怖れで...
中井正一 「色彩映画のシナリオ」
...その中にはまさに米友をして怖れしむべき敵があったればこそ...
中里介山 「大菩薩峠」
...がんりきがこの馬子を怖れて逃げたことは今の挙動でわかるのですから...
中里介山 「大菩薩峠」
...やや怖れをなしたのは...
中里介山 「大菩薩峠」
...この警告に怖れをなしたと見えて...
中里介山 「大菩薩峠」
...もはや怖れません...
中里介山 「大菩薩峠」
...互いに視線のかち合うのを怖れる如く...
久生十蘭 「魔都」
...ちやうど数千の水車場が一時に水音を立てるやうな物凄い音が聞える――それはまだ誰ひとり怖れて覗いて見たこともない...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...世間は僕が人生を憎んでいるとか、怖れているとか、軽蔑しているとか、嫌いぬいているとか言いました...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...船坐るかと怖れ遁(に)げ帰る事ありとか...
南方熊楠 「十二支考」
...些(いささか)の影をも怖れ人を見れば泥棒と心得吠え立つるも...
南方熊楠 「十二支考」
...季娘大に怖れて聖僧ブレイスに救ひを求め...
南方熊楠 「人柱の話」
...七老人はなにかを怖れるように...
山本周五郎 「風流太平記」
...大乱の生じるのを怖れるからです...
吉川英治 「三国志」
...たくさんな家人も、奴婢も、みな、その三名を、新しい主人とも仰ぎ、陰口一ツさえ、怖れあった...
吉川英治 「平の将門」
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