...夫の荒立った気分を怖れて涙を飲みこみ飲みこみした...
有島武郎 「カインの末裔」
...怖れに耐えぬ様に...
江戸川乱歩 「恐ろしき錯誤」
...心では妖怪に怖れを抱いていた...
田中貢太郎 「魔王物語」
...ある権門から嫁(とつ)いで来た夫人の怒りを怖れてそのことが博士以外の誰にも...
徳田秋声 「爛」
...ジャズが一般の怖れをもってせられる罵倒の中に...
中井正一 「探偵小説の芸術性」
...怖れをなして逃げ去るのは当然でしょう...
中里介山 「大菩薩峠」
...怖れをなして隠れたな」「或いはそうかも知れん」「しかし...
中里介山 「大菩薩峠」
...お前は?」驚きと怖れと...
野村胡堂 「死の予告」
...死を怖れて取乱す事もあるまい...
二葉亭四迷 「予が半生の懺悔」
...療養所にいる間絶えず何かを怖れるように背中を丸くしていた母とその母のいるところでは自分にろくろく口も利けないほど気の小さな夫とを送り出しながら...
堀辰雄 「菜穂子」
...メリヘイブン閣下が怖れるやら...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...そして、女は、屡々、夜鳥の叫びに似た声を挙げたが、仔細に眺めると、それは、怖れや、苦悶の悲鳴ではなくつて、誰やらが、女の脚のあたりを擽る度に放つ馬鹿/\しいわらひ声のようでもあつた...
牧野信一 「山男と男装の美女」
...かかり合いになるのを怖れたか...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...酷く引ぱたかれることがあらうと怖れてゐた...
室生犀星 「めたん子傳」
...気の立っているそれらの人々の耳を怖れるように...
吉川英治 「新書太閤記」
...そして油断ならじと怖れ合った...
吉川英治 「源頼朝」
...反ってインカの軍隊の優勢に怖れを抱いた...
和辻哲郎 「鎖国」
...これでは平戸をボイコットしようとする計画は破れる怖れがある...
和辻哲郎 「鎖国」
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