...これと申しますのも、或は火事にあいまして、火の怖さを知り、火の大事さを覚え、それがいつか火を七輪におこしますとき私に火を丁重に扱わせたのでございましょうが、それからというもの、私は何事によらず、凡てを七輪の場合のように致しまして、随分とそれまでの無駄なことをせずにすますことができた次第でございます...
上村松園 「昔尊く」
...鈴江を脅迫し恐怖させた上で...
海野十三 「電気看板の神経」
...追手の怖さとは、全く別の恐怖が、彼女の背筋を這い上った...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...そして、怖さ苦しさも、それに伴って大きかった...
江戸川乱歩 「お勢登場」
...君を恐怖さえしていた...
太宰治 「新ハムレット」
...叱られるが怖さに水に這入るのを躊躇していると...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...その謀計(たくらみ)がばれるのが怖さに...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...店二階へ一人で寢るのが怖さに...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ほかの方とは異った怖さ――在来の歌舞伎劇にものたりず...
長谷川時雨 「古い暦」
...さうして一番はつきり此女の考として残つたことは、此品(これ)をとられてしまつてはすぐ食ふことが出来ない、自分と、三人の子供の命の蔵(くら)は、今自分が座つて居る莚の下にある、生きたいと云ふ一念で、良人(をつと)は恐しい土蔵破りをまでした、その一念で、自分は怖さ、恥しさを忘れて、ぢつと座つて居た...
平出修 「夜烏」
...其処(そこ)を小石川から帰途(かえりみち)に夜の十一時十二時ごろ通る時の怖さと云うものは今でも能(よ)く覚えて居る...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...その時の怖さ加減を互(たがい)に話したら面白い事でしょう...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...追想して話す時にゃ既に怖さは余程失せている...
二葉亭四迷 「私は懐疑派だ」
...怖さを振り切り、隣の部屋に入った...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...」虔十が顔をあげて少し怖さうに云ひました...
宮沢賢治 「虔十公園林」
...何一つ己を恐怖させる程の事を為遂げてはいない...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...そっと訊いてごらん」春香はまだ世間の怖さも複雑さも知らなかった...
吉川英治 「三国志」
...怖さも忘れて這い出したけれど...
吉川英治 「治郎吉格子」
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